討ち入り翌日の様子が記された書簡。末尾に12月15日と記されている。書簡は中央で折りたたまれ、後半は上下逆になっている(近江日野商人館提供) 赤穂浪士の吉良邸討ち入り(1703年)の直後に江戸市中で聞いた話を記録したとみられる書簡が見つかり、滋賀県日野町の近江日野商人館が8日発表した。行商中の近江商人が同町の実家に送ったとみられ、討ち入った人数は四十七士の4倍近い180人とも記されるなど情報が錯綜(さくそう)していたことがわかる。同館は「騒然とした江戸の様子を生々しく伝える貴重な資料」としている。 書簡(縦約20センチ、横約30センチ)にはあて先や差出人の名前はないが、醸造業を営んだ近江商人家の関連書簡など約30点の中に含まれており、行商中に本宅に送った私信とみられる。末尾に12月15日の日付があり、元禄15年12月14日夜から翌朝にかけて起きた「赤穂事件」直後のものと判断した。 書簡によ