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ブックマーク / econ101.jp (14)

  • ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)

    近年の政治環境で最も奇妙な点の1つは、はっきりとリベラルの伝統に基づいた価値観を奉じながら、そうした価値観を促進するために、明らかに反自由主義的と言いたくなるような戦略をとる人が非常に多いことだ。ソーシャル・メディアからファシストを追放したがっている「反自由主義的な進歩派の若者(YIP:young, illiberal progressives)」が、現代の共和党員のほとんどを「文字通りの意味でのファシスト」と見なしているという話は今やおなじみである。 こうした若い活動家が、自身の表明している価値観と自身のとる政治手法との間にある明白な矛盾に無頓着なことに、関わった人なら誰でも気づくだろう。傷つけられやすい多様なマイノリティを守るという大義を掲げながら、自分たちに同意しない人をキャンセルしたり罰そうとしたりするイジメのような戦術を用いることには驚くほど躊躇がない。戦術的なレベルに絞って考え

    ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)
    mahal
    mahal 2024/09/18
    「理に適った不同意と理に適わない不同意の境界線をゲリマンダリングする…ことに熟達」という小難しさを一コマで言い切ったテコ朴の偉大さを思う https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1486117
  • ノア・スミス「Twitter 入り浸りは精神衛生に有害」(2024年3月9日)

    ソーシャルメディア利用と精神衛生の悪化の相関を見出してる研究は山ほどある.でも,de Mello, Cheung, & Inzlicht によるこの研究こそが,ぼくにとっては真打ち登場って感じだ: 世間の論議では,よく,Twitter(現 X)がユーザーと社会に有害な影響を引き起こすと言われている.稿では,合衆国の Twitter ユーザーたちの代表的標から252人の参加者を得て調査を行うことで,この研究課題に取り組む.我々は,一日5回の質問を7日間にわたって継続した(6,218回の観察).調査結果から,Twitter 利用が幸福度の悪化および政治的二極化・怒り・帰属感覚の増加に関連していることが明らかになった.効果量は,社交的なやりとりが幸福度にもたらすものに近い.こうした影響は,人口統計上の特徴〔年齢や居住地域や就業状況など〕や性格特性を考慮しても一貫していた.データから推測される

    ノア・スミス「Twitter 入り浸りは精神衛生に有害」(2024年3月9日)
    mahal
    mahal 2024/03/14
    ノア先生ご自分のツイ廃をその表題からどう語るのかと思ったら「お仕事で入り浸りないと」と来ましたかw
  • ジョセフ・ヒース「キャンセル・カルチャーはシンプルに説明できる」(2023年12月3日)

    今や誰もがキャンセル・カルチャーについて論じるのに飽き飽きしている。そろそろ私たち研究者が議論に参加してもいい頃だろう。最近、イブ・ンの“Cancel Culture: A Critical Analysis”『キャンセル・カルチャー:批判的分析』を興味深く読んだ。このはキャンセル・カルチャーにそれほど批判的というわけでもなかったが、この現象の歴史を提示している点で有益だった。ただ残念なことに、このは事例を豊富に載せているだけで、キャンセル・カルチャー現象の明確な定義や説明は提示していない。そこでエントリではこの空白を埋めるために、根底にある社会的ダイナミクスの分析に基づいて、キャンセル・カルチャーのシンプルな理論を提示したい。 議論を始める上でまず明確にしておくべきは、キャンセル・カルチャーの起源が政治的なものでも文化的なものでもないということだ。キャンセル・カルチャーは、ソーシャ

    ジョセフ・ヒース「キャンセル・カルチャーはシンプルに説明できる」(2023年12月3日)
    mahal
    mahal 2023/12/08
    左派も右派もこの点に関してはどっちもどっちで、だから「政治とはそういうもん」とシニカルになるお話ってよりは、「お前らちゃんと民主主義に則した適正な手続きを勉強しる」となるべきではあるかな
  • ノア・スミス「実際のところ日本はどれくらい同質なの?(再投稿)」(2023年8月1日)

    再投稿のまえおき――日に(また)向かう空の便で,今日はトランジットにいる.そこで,このサブスタック初期に書いた日関連の記事をひとつ再投稿しよう.移民流入ブームから観光ブームのあいだに,近年,日はずっと国際的になっている.とくに東京と京都がそうだ.ただ,世の中の人たちが思っているほど日が同質だったことは一度もない.「日はなんらかの意味で人種的に純粋で,外国人嫌いで,閉鎖的な国だ」という考えに立脚して日は同質だと捉える見解は,どれもずいぶんな戯言だ.今回も,そういう考えを抱いている人を見かけても訂正してあげない方がいいかもしれない.ホントのことを知っちゃったら,日に行きたがる人がさらに増えちゃうかもしれないからね! それは「同質」の定義しだいだね もうね,あともう一度でも「日は同質な社会だ」とか聞かされたら,憤慨するままに一記事を書いちゃうよ.というか,これがその記事か. ア

    ノア・スミス「実際のところ日本はどれくらい同質なの?(再投稿)」(2023年8月1日)
    mahal
    mahal 2023/09/09
    現代日本人、異民族に「日本人的な感性」を見てそれを受け入れるみたいな回路はあり、それはある意味移民の文化に対して侵襲的なんだけど、「お前らは絶対に俺等になれない」的な排他意識は低めな感じ
  • ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)

    世の中のみんなを1つの部屋に放り込んでうまくいくわけがない 5年前,同僚の Dayv といっしょにビールを1杯やってたときのことだ.ぼくは Twitter をぐりぐりスクロールしながら,ドナルド・トランプの最新暴挙にみんなが憤慨してるのをしげしげと眺めて,こんなことを言った.「あのさ……15年前,インターネットは現実世界からの逃避先だったじゃん.いまは,現実世界の方がインターネットからの逃避先だよね.」 すると Dayv が,「それ,ツイートしなよ!」 ――で,そうした.この凡庸な所見が,ものすごくウケた.他のどのツイートよりも人気だ.ウェブのあちこちのコンテンツ工場で,これが無限に引用されつづけてる. あの他愛ない所見が,どうしてここまでたくさんの人たちに響いたんだろう? いま,インターネットから逃げ出す必要が感じられる理由は,わかりやすい.スマートフォンによって,インターネットが物理的

    ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)
    mahal
    mahal 2023/01/16
    今にして思えば、ワンストップなサイトをテーマ別の掲示板群に分けて「集中にして断片的」だった2ちゃんねるのモデルは強固だったけど、個々のインフルエルスという麻薬に敗れて廃れていったという、ネット現代史。
  • ノア・スミス「エリート過剰生産仮説」(2022年8月26日)

    [Noah Smith, “The Elite Overproduction Hypothesis,” Noahpinion, August 26, 2022] 2000年代から2010年代に,アメリカ憤をためた大卒者を輩出しすぎたのかも? “We’re talented and bright/ We’re lonely and uptight/ We’ve found some lovely ways/ To disappoint” — The Weakerthans ♪オレらはまぶしいほど才能にあふれながら / 孤独でピリピリしてる / オレらが見つけた最高の / 絶望の方法 ――The Weakerthans 目を見張ってしまうちょっとしたデータを見てもらおう:アメリカ国内で人文学を専攻してる大学生の割合は,2010年以降に完璧に崩壊してる. @ipeds_nces just r

    ノア・スミス「エリート過剰生産仮説」(2022年8月26日)
    mahal
    mahal 2022/09/16
    ここで言及される人文学専攻者の減少、衰退よりはむしろ焼け太りというか、人文学の寡頭支配やラディカル化に繋がり、ひいては理系落伍者をオルグする構造を強化する面も出てくるのかも
  • ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)

    [Noah Smith, “The Japan that Abe Shinzo made,” Noahpinion, June 4, 2022] この半世紀で最重要の首相がもたらした3つの大きな変化 今回で,日に関するシリーズは5目になる.これが最後だ.第1回目(翻訳)では,日の生活水準が低めなことを嘆いて,現金ベースの福祉政策を提案した.第2回目(翻訳)では,日が経済成長を加速させるのに使えそうな産業政策をいくつか提案した.第3回目では,日の停滞した企業文化とその直し方を論じた.第4回目では,日のポップカルチャーに関する2冊の書評を書いて,日が経済面で衰退しつつもそのポップカルチャーが世界を制覇したあらましについて述べた. この20年というもの,定期的に日を訪れている.でも,今回の日旅行ではとくに強い印象を受けた.2002年にはじめて日に来たときから,この国の感触

    ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)
    mahal
    mahal 2022/06/09
    安倍政権下での多様性の進展、むしろSDGsだの何だの言われる以前から本朝の産業界は少子化という難題にあって多様性に活路を求めていて、それが安倍のPro-Businessなアンテナに乗っかったというお話なのかな、と。
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
    mahal
    mahal 2022/05/24
    御本人のこのエントリに関するお言葉を、各々銘ずべし>"Japan is a wonderful country. But it's poorer and more unequal than it ought to be. It's time to fix that."
  • レヴィ・ボクセル「インターネット,ソーシャルメディア,政治的二極化」(2017年10月)

    [Levi Boxell, “The internet, social media, and political polarisation,” VoxEU, Oct.1, 2017.] これまで,政治的二極化が近年になって高まっているのはインターネットのせいだと多大な非難が向けられてきた.だが,政治的二極化が全体的に高まる傾向は少なくとも70年代までさかのぼり,そこにインターネットはなんら有意な役割を果たしていないことをこのコラムでは論じよう.使用するのはアメリカのデータだ.さまざまな研究結果を見ていくと,わかりやすい物語による説明に安んじずにもっと奥深く見通すことの重要さが際立ってくる.政治的な感情を押し動かす要因をもっと深く理解することが重要なのだ. いまも蓄積が進んでいる研究文献からは,アメリカの有権者のあいだにみられる政治的二極化は近年になって強まっていることがうかがえる(e.g.

    レヴィ・ボクセル「インターネット,ソーシャルメディア,政治的二極化」(2017年10月)
    mahal
    mahal 2018/06/17
    これ、ネット言論の拡大にメディアが対応して「釣り記事」的な振る舞いが増えた結果、それによるエコーチャンバー現象がオールドメディア側の読者で増幅されたとか、そういう見立ても可能な気はするよね
  • サイモン・レン=ルイス「金権政治を民主制扱いしていたら民主制は死ぬ」

    [Simon Wren-Lewis, “If we treat plutocracy as democracy, democracy dies,” Mainly Macro, December 2, 2017] 「ガマの油売り」 イギリスのEU離脱とトランプには類似点がたくさんある.どちらも権威主義的な運動で,ただひとりの人物についてであれ,ただひとつの国民投票(みんなの目をくらませてしまった投票)についてであれ,権威者が嘘をついている.この権威者は,運動のアイデンティティを体現している.どちらの運動も非合理な運動だ.つまり,運動の願望と衝突してしまうときには専門知識を脇に置いてしまう.その結果として,運動の支持基盤はあまり教育水準の高くない人々になっているし,大学は彼らにとって敵と目されてしまっている.どちらのグループもナショナリズム色が強い:どちらもアメリカやイギリスを再び偉大にしたが

    サイモン・レン=ルイス「金権政治を民主制扱いしていたら民主制は死ぬ」
    mahal
    mahal 2017/12/23
    逆にリベラルがメディアとアカデミアへの支配力を強めたからこそネット絡めた右派の非正規戦が先鋭化し、二大政党という文脈で「片方」を乗っ取り不満の受け皿になれた、みたいなのが米英政治の実像に近い感じも。
  • ポール・クルーグマン「ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる」

    Paul Krugman, “Vladimir Putin’s Unraveling Russia,” Krugman & Co., December 26, 2014. [“Putin on the Fritz,” December 15, 2014; “Petrothoughts,” December 14, 2014] ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる by ポール・クルーグマン TOM/The New York Times Syndicate いかに迅速かつ疑問の余地なしにロシア経済の歯車が狂ってきたか,目を見張るものがあるね.石油価格急落が大きな原動力になってるのは一目瞭然だ.だけど,ルーブルの下落はブレント石油の下落より進んでいる――今年はじめから石油は 40 パーセント下落しているのに対し,ルーブルは半値になってる. なにが起こってるんだろう? えっとね,ウ

    ポール・クルーグマン「ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる」
    mahal
    mahal 2014/12/29
    逆にクリミアに手を出した時点で「世情不安による地政学リスクは、むしろ原油高をもたらす」とタカを括ってたとかそうした誤算もロシア側にあったのかな。cf) http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt131018.pdf
  • ラルス・クリステンセン「W杯の結果を100万回シミュレートしてみたよー。ブラジルつえー」

    LARS CHRISTENSEN”I just ran a million simulations of the World Cup – Brazil won 450,000 times” (The Market Monetarist, MAY 28, 2014) (5月29日訳者追記:ゴールドマン・サックスも似たような予測をしているのが興味深い。) まともな経済学者の誰もが、ブラジルで開催される今度のサッカーワールドカップで勝つのはどこかについて一家言を持っているはずだ。というわけで僕ももちろん持っている。 この問題について、僕はダンスク銀行の聡明なる同僚であるJens Pedersen, Morten Thrane Helt, Stanislava Pravdova, Kristoffer Kjær Lomholtと共同で論文を書いた。 次のはその論文、「ブラジルはピッチ上での成功を目

    ラルス・クリステンセン「W杯の結果を100万回シミュレートしてみたよー。ブラジルつえー」
    mahal
    mahal 2014/05/29
    むしろ、今のオーストラリアに0.1%の可能性を見出だせてしまう辺りが、ダメ統計感強し(何。
  • ポール・クルーグマン「栄えるな,早めに死ね」

    Paul Krugman, “Don’t Prosper and Die Early,” Krugman & Co., March 20, 2014. [“Don’t Prosper and Die Early,” The Conscience of a Liberal, March 16, 2014.] 栄えるな,早めに死ね by ポール・クルーグマン 今月はじめに『ニューヨークタイムズ』に載ったアニー・ロウリー記者の記事は読んでよかった.持つ者と持たざる者で平均寿命の差が大きくなっている状況を伝えている(ここで読める:LINK). ただ,多くの読者にこれが初耳に思われているばかりか,政策担当者や評論家にもそう思われているらしいのが,なんと言うか,いらだたしい.多くの経済学者は,長年にわたってこの点を広く伝えようとつとめてきた――人々が社会保障とメディケアの受給開始年齢を引き上げようと求

    ポール・クルーグマン「栄えるな,早めに死ね」
    mahal
    mahal 2014/03/23
    で、我が国の経済学者はちゃんとこれを指摘出来てたのだろうか?>「長寿化で高齢福祉の開始年齢を引き上げる=高額所得者が長生きするようになってるから,低所得者はずっと働き続けなくちゃいけない」
  • 「アドルフへの道:社会資本はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath

    「アドルフへの道:社会資はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath “Bowling for Adolf: How social capital helped to destroy Germany’s first democracy“(5 August 2013) from VOX ワイマール共和国の崩壊は、残忍なナチス体制に権力の座をもたらし、世界の歴史の転換点となった。稿では、社会資に対する大部分の考えとは対照的に、良く結びついた社会が負の結果をもたらしうるということを主張する。イデオロギーとは無関係に、戦間期のドイツにおける高密度の社会ネットワークは、

    「アドルフへの道:社会資本はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath
    mahal
    mahal 2013/08/14
    本朝の、主にリベラルな市民運動が敗れ続けているのは、彼らの一つの大目標としての「ファシズム回避」が、正しく達成されているからではないか、と考えることは間々ある。
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