愛知県豊川市で家族5人を殺傷したとして殺人罪などに問われた岩瀬高之被告(31)の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部は7日、懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した。久保豊裁判長は殺意と責任能力を認定し「凶暴で残虐な犯行で結果は重大だが、幼い頃から自閉症障害を抱えていたのに支援を受けられなかった。無期懲役刑はいささか重い」などと判決理由を述べた。 約15年間ひきこもり生活を送り、知的障害と自閉症のある岩瀬被告の殺意と責任能力の有無が争点となった。判決は▽被告は普段から凶器の包丁を調理に使い危険性を理解していた▽被害者の顔や首を多数回強く刺した▽事件時に混乱した様子がなかった--とし、殺意を認定した。 また事件時に▽弟の妻が「私は関係ない」と言ったのに対し「関係ある」と答えた▽弟の妻の逃走を阻止しようとした--などから「状況に対応した行動をとっていた」と指摘。幻聴や幻覚を伴う精神障害ではないこと