打撃練習をする山崎南琉さん(左)と主将の小野優希君=2019年6月17日午後3時46分、大網白里の大網、小木雄太撮影 あの時は気づいたら涙が止まらなかった。 4月7日午後のグラウンド。大網、上総、市原緑の連合チーム(千葉県)の11人が監督を囲むように並んでいた。 「1番……、2番……」 春の大会でベンチ入りするメンバーの名前が呼ばれると、選手たちは背番号を受け取った。10人目まで発表され、終わった。 大網の山崎南琉(なる)さん(3年)は名前を呼ばれることがなかった。唯一の女子部員。監督が話している間、目は赤くなっていた。 規定では、参加選手の資格は「男子生徒」と決められている。知ったうえで、練習してきた。 でも、やっぱりメンバー発表の日はいつも悔しくなる。「みんなと同じ練習をしているのに」。今年は最後の年。こみ上げた気持ちを抑えられなかった。 ◇ 野球少年の兄に連れられ、小3から軟式野球の