2009年12月02日10:46 カテゴリ紙屋高雪 紙屋高雪「マルクスブームは来ているか?」 担当者より:『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(築地書館)の著者、紙屋高雪さんに昨今のマルクスブームといわれる現象について論じていただいた原稿です。 配信日:2009/11/27 大きな本屋にいくとマルクス関連本が並べられていて、ちょっとしたブームなんだな、とわかる。しかし「マルクスブームは来ているか?」という問いの答えを言ってしまえば、「本格的なものは未だ来らず」というのがぼくの答えである。 主に二つの理由をあげたい。 一つ目は、まあ言うまでもないことだけど、マルクス自身の文章が難しすぎる、という至極単純な理由による。『資本論』を手にとったものの数ページで挫折をしたという経験は少なからぬ人が持っているはずだ。『蟹工船』のわかりやすさ、読書としての興奮を考えると、比べ物にならぬほどである