【ローマ=青木佐知子】AP通信などによると、ローマ法王フランシスコは、19日に世界16か国で出版されたカトリックのイエズス会系雑誌のインタビューで、教会はこれまで同性愛や中絶の禁止といった「狭量な規則」にこだわり過ぎてきたとの見解を示した。 法王は「重傷を負った人に、コレステロール値や血糖値を尋ねても無駄だ。まず傷を癒やすべきだ」との比喩を用いて、細かい規則にとらわれるより、救いを求める人に慈愛の心で接することが重要だと指摘。その上で、「新しいバランスを見つけなければ、教会の倫理体系は砂上の楼閣のように崩れ落ちるだろう」と警鐘を鳴らした。 法王は7月、「もし同性愛者が神の道を求め、善意を持っているのなら、私は裁く立場にない」と発言し、波紋を呼んだ。一部のカトリック信者の間では、法王が就任後、中絶反対などを明言していないことへの不満があり、今回の発言も議論を呼びそうだ。