ヒトを含むほ乳類には雌と雄の性があり、生殖器の構造と機能、性行動、身体や臓器の大きさなどに違いがみられる。こうした性差は、卵巣や精巣などの生殖腺から分泌される性ホルモンがもたらすとされる。一方で、脳の構造や機能にも性差がみられ、やはり性ホルモンの作用によると考えられてきた。ところが今回、北里大学 一般教育部(大学院医療系研究科 兼務)の浜崎浩子教授らの研究チームは、この定説を部分的に覆す研究成果を得た。雌と雄のニワトリ胚の脳を入れかえる実験により、性特異的な神経回路の一部が、性ホルモンの影響を受けないことを突き止めたのである。 トリの性別は、ZとWからなる性染色体の型によって遺伝的に決められる。Z染色体を2本もつ個体は雄になり、Z染色体とW染色体を1本ずつもつ個体は雌になる。ただし、雄も雌も、発生のごく初期には「同じ生殖腺原基」をもち、その後の過程において、雌では生殖腺が卵巣へ、雄では精巣
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