緊急事態宣言発出で人気がなくなった街で寝そべるホームレス(東京、2020年4月16) Kim Kyung-Hoon-REUTERS <すべての人に生存権があることは正当化も否定もできない大前提の価値の1つだ。「無敵」のインフルエンサーが世論に迎合してそれに異を唱えれば、待っているのはディストピアだ> 8月7日、タレントで「メンタリスト」のDaiGoが、生活保護受給者や、いわゆる「ホームレス」の生の価値を軽んじる趣旨の動画をYouTubeに投稿し、大問題になった。若年層に影響力があるとされるチャンネル登録者数200万以上の配信者が優生思想的・差別的なメッセージを発することは、ヘイトクライムなどを誘発する危険性も考えられ、看過できない。 反人権的な俗情に訴える 「自助努力」で生きることができない「生活保護受給者」や、「汚くて怖いホームレス」を排除したい、という思考は、「素朴な感情」として世間に