国立国会図書館は毎月『レファレンス』という雑誌を刊行し、現下の重要課題について冷静な議論の素材を提供しています。 その10月号に、岡村美保子さんの「労働者派遣法改正問題」が掲載されておりまして、この問題を考える上で大変有用です。 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200910_705/070506.pdf わたくしの論考もいくつも引用されているのですが、それに限らず、歴史的にも国際的にもよく目配りされたいい論文です。 と、岡村さんを褒めるのももちろんですが、実はこれを読んでいて、目を疑う記述に出くわしました。 派遣法制定過程についての記述のところですが(124ページ)、 >高梨教授は、ビルメンテナンスとファイリングという2つの「不熟練労働」を入れてしまったところからポジティブリストの論理破綻が始まったと述懐している(27) 。 高