キイロタマホコリカビ。柄の先端にある丸い部分に胞子が詰まっている=ネイチャー提供キイロタマホコリカビ。柄の先端にある丸い部分に胞子が詰まっている=ネイチャー提供 「農業」をする粘菌が見つかったと、米ライス大学の研究チームが英科学誌ネイチャーで発表した。エサとなる細菌が少なくなると、食べ尽くさずに一部を体に取り込んでから別の場所に移る。移動先で体内の細菌をまいて、新天地で細菌が増えるのを待って食べるという。 この粘菌は、生物学の実験でよく使われる「キイロタマホコリカビ」。新天地を目指して移動する時には、それまでバラバラに動いていた数万の細胞が寄り集まって、ナメクジのような形になる。移動先で胞子をまいて繁殖するときに、胞子を包む袋の中に取り込んでいた細菌も一緒にばらまく。 研究チームは、米国各地で採取した野生の35株のうち、13株がこうした原始的な「農業」をすることを見つけた。移動先にエ