今や、パット・メセニー・バンドの重要人物として、広く名前も知られる実力派ドラマー、アントニオ・サンチェス。メセニーとサンチェスの共演歴は、今や13 年余り。レギュラーのパット・メセニー・グループのみならず、クリスチャン・マクブライドとのトリオや、ゲイリー・バートンのリユニオン・セッションでもコラボ。音楽のあらゆる要素において厳しいパット・メセニーというアーティストと、コンサートだけでも、今や1000近い共演というのですから、それだけでもメセニーの信頼の厚さが伺えますが、それはサンチェスの実力の証と言えましょう。 本作は、3作目のリーダー作。2007年に初リーダー作をリリース。その時以来、個性を誇るサックス2 管をフィーチャーしたカルテット編成を基本にして来ましたが、本作の最大の特徴は、ピアノ及びローズを導入している点。ハーモニー楽器を導入し、全曲サンチェスによるコンポジションを強靭かつ厚み