『人名の世界史』では、副題に「由来を知れば文化がわかる」とあるように、世界の様々な人名の由来を解き明かしてくれます。アフリカ編、エチオピアの人名について、こんなことが書いてありました。 アトランタ五輪女子マラソンの優勝者をロバ選手と記すのは、名・姓の記載順による明らかな思い込みが招いた誤解である。彼女のフルネームはファツマ・ロバ(Fatuma Roba)だが、アラビア語で、「慎み深い」を意味するファーティマのオロモ語訛りが個人名で、「(雨が)降る」の意のロバは父親名であって、姓でもなければ彼女の個人名でさえない。したがって、ロバ選手という表記は誤りで、正確にはファツマ選手あるいはファツマ・ロバ選手とよぶべきであろう。 エチオピア人の名前は「個人名+父親名(+祖父名)」が基本、ということを「知らなかった」ことによる「誤り」の例です。このように、父親名を含む名前の表記方法(「誰々の子ども」)