中国で成立している“複製画”ビジネスの現実 本作の舞台となったのは、中国・深圳の大芬(ダーフェン)。同地は複製画が産業として成立しており、“世界最大の油画村”とも呼ばれている。シャオヨン自身も1996年に出稼ぎで訪れ、ゴッホの絵画と出合って以降、独学によって複製画を制作。彼もまたビジネスとして複製画の取り引き先を複数抱えており、生活のためにシャオヨンだけでなく妻らとともに次々と複製画を仕上げていく。 © Century Image Media (China) 最初に驚かされるのは、有名絵画の複製画制作が産業として成立していること、そしてその制作現場における過酷な現状だろう。シャオヨンたちが手掛けているのはあくまで“複製”ではあるものの、それは商品として中国国内だけでなく世界中へと搬出されていく。また毎年数百万点の油絵が制作されるというダーフェンの制作現場では常に時間との闘いが繰り広げられ、
