大丸松坂屋百貨店は21日、平成27年春闘で、契約社員のみ1260人を対象に月額1000円のベースアップ(ベア)を行うことで労使が妥結した。同社は19年9月の経営統合後、正社員も含め、ベアはこれまでなかった。今春闘では、非正規労働者の処遇改善が焦点で、幅広い雇用層の賃金引き上げが求められている。 同社は、労働組合側の要求1000円に対して満額回答した。労組側は正社員のベアを求めておらず、会社側も見送った。同社は「直近の厳しい環境の中、現場の最前線を担う契約社員のモチベーションを上げるため」と説明している。 今春闘では、自動車総連が各企業に直接雇用されている非正規労働者のベアを初めて要求基準に盛り込んだ。 三菱東京UFJ銀行の労働組合は、店舗の窓口などで働く非正規行員も含めたベアを初めて要求。非正規の組合員が多数加入する産業別労組「UAゼンセン」も、正社員と同様のベアを要求している。