はじめに かつて日本は強大な軍事力を保有していました。日本が強国であることは東洋の安定に繋がり、ひいては世界平和にも貢献できると、日本人が本気で信じていた時期もありました。明治新政府が徴兵令を施行して「皇軍」を創始してから第二次大戦に敗れるまで、旧日本軍が存在したのは僅かに70有余年のことに過ぎませんが、その爪痕は現在なお大きく残っています。その旧軍が、どのように生まれたかを辿ってみましょう。 国民国家と軍隊と 明治維新の20年前、欧州では1848年革命=「諸国民の春」によってウィーン体制が崩壊し、続々と国民国家が生まれました。スペインやオスマン帝国の支配から脱した諸国民が主権国家を築いたのと同時に、(日本における幕藩体制のように)小国が分立していたドイツやイタリアでは統一国家が生まれました。それら国民国家は、当然のこととして、自衛のために軍隊を保有します。 江戸時代の日本には、幕府による
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