腸内フローラ、腸内細菌、マイクロバイオームなどとして、身の回りの環境に存在する微生物がこのところ注目されている。 ちょっと毛色は異なるが、ニューヨーク市内の地下鉄全線、公園、運河でDNAを取ってきて、公共交通機関で見られる細菌をはじめ微生物の全容を調べる研究の結果、テロに使われる炭疽菌(たんそきん)まで含めた多様な生物が存在すると分かった。 半数は未知の生物 米国ニューヨークのウェイル・コーネル・メディカル大学を中心とする研究グループは、その結果をセル・システム誌オンライン版で、2015年2月7日に報告した。 分析の結果、なかなか興味深い都市環境の一面が明らかになった。採取された全DNAのうち、ほぼ半数は未知の生物に由来するものであった。 既知の生物と特定されたものは、1688種の細菌、ウイルス、古細菌、真核生物の範囲に及んだ。アシネトバクターなど皮膚に関連した無害な微生物が多かった