ロビーに展示中の二つの埴輪片を前に「まさか収蔵庫で貴重な資料が見つかるとは」と驚く岩井顕彦学芸員=たつの市新宮町の市立埋蔵文化財センターで2023年7月1日、村元展也撮影 兵庫県たつの市立埋蔵文化財センターの収蔵庫に60年近く眠っていたとみられる埴輪(はにわ)の破片(2個)が、同県加古川市の古墳から出土した甲冑(かっちゅう)形の埴輪の一部だったことが判明した。収蔵庫でたまたま破片を目にした同センター学芸員の眼力が「再発掘」につながった。 【埴輪の破片、どんな形?写真で見る】 「あれっ、この三角形の模様は……」。2022年10月ごろ、学芸員の岩井顕彦さん(43)は薄暗い同センター収蔵庫の棚にあった来歴不明の埴輪の破片を手にした際、古びた報告書に載っていた、出土物を写し取った拓本のことが頭にひらめいた。「あれだ」 この時期、岩井さんは古墳時代の鉄製甲冑に関する特別展の準備に取り組み、改めて収蔵