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ブックマーク / www.wound-treatment.jp (59)

  • 新しい創傷治療:消毒薬の組織障害性 -消毒薬は毒!-

    イソジンの殺菌作用はヨウ素の酸化力によるものである。従ってその殺菌力は細菌にだけ有効なのではなく,生体細胞全般に分け隔てなく作用するのだ。従って,細菌を殺すことができれば,人間の細胞も殺すことができる。それが消毒薬だ。 また酸化作用がメインの機能であるだけに,細菌と何かの有機物が共存していれば,酸化力はその有機物にも発揮されることになり,この場合は当然,殺菌力は低下する(なお,クロルヘキシジンではこのような低下は起こらないようだ)。 ポビドンヨードの殺菌力は遊離ヨウ素の濃度に依存するため,最もヨウ素濃度が高くなる0.1%で最強の殺菌力を持つことになる。しかしこれはあくまでも試験管内のデータであり,上述のように有機物の存在で効力が失われるため,臨床の場では7.5~10%の製剤が使われている(http://www.yoshida-pharm.com/text/05/5_2_2_1.html)。

    maple_magician
    maple_magician 2010/12/18
    【もちろん,傷は消毒しても治ることは治る(・・・消毒しないより時間はかかるが・・・)が,それは,「消毒という医者の妨害行動」を乗り越えて,なけなしの力で何とか治っているだけだ。】
  • 新しい創傷治療:消毒は必要なのか?

  • 新しい創傷治療:生物学的な観点から消毒法,消毒薬を俯瞰すると

  • 新しい創傷治療:リスターはなぜ創感染率を下げられたのか?

    次のような質問を受けた。 「外傷の消毒は不要」「消毒しても感染予防にはならない」と言うが,19世紀の半ば,手術創を消毒する事で感染率を劇的に下げたと言う事実と矛盾するのではないか? もっともな疑問だと思う。この「消毒による術後敗血症の克服」の経緯については,かの名著『外科の夜明け』に詳しく書かれていて,私も何度も取り上げている。産婦人科医のゼンメルワイスが分娩の前に消毒薬で手を洗っただけで産褥熱が劇的に減少し,リスターが手術創や外傷の創を消毒薬の石炭酸で処置し,術後の敗血症による死亡が劇的に下がったのは紛れもない事実である。確かにこれだけ見ると,私の主張と矛盾しているように見える。 『外科の夜明け』を素直に読めば,「傷を消毒する事で感染率が下がった」となるはずだ。だが,事実はそれほど単純ではない。 消毒薬として石炭酸は決して強力なものではなく,むしろ非力な消毒薬剤に過ぎない。だから現在,石

  • 新しい創傷治療:

    この程度の熱傷なんて大したことはない,この程度を「広範」と言うのは笑止千万,もっとひどい症例を見せてもらわないと「熱傷の湿潤治療」を評価できない,という声が全国各地の大学病院・熱傷センターの「海原雄山先生」方面から聞こえてきますが,100床程度の地方病院で形成外科の医者が一人しかいないところでは,このくらいの熱傷が限界です。それに何より,このくらいの熱傷だと私のところでなく大学病院に直接運ばれちゃいますしね。 というわけで,とりあえず海原雄山先生をほっといて話を進めます。 症例は78歳男性。人が詳しいことを言わないためよくわからない点もあるが,ゴミ焼きをしていてそれが衣服に引火し(?),熱傷を受傷したらしい。その日の午後,家族がやけどしていることに気がついて近医を受診。翌日,当科を受診した。直ちに整形外科入院となり(形成外科はベッドを持っていないため),卒後5年目の医師(それまで主に内科

    maple_magician
    maple_magician 2010/08/26
    【ちなみに,一緒に治療をしている研修医はこの症例しか熱傷治療の経験がないため,自分がどれほどすごいことをしているか全く気がついていない。】
  • 湿潤治療をしている医師リスト

  • 新しい創傷治療:

  • 新しい創傷治療:

    体感的に,デュオアクティブを貼付した部位は直ちにピリピリした痛みは消失したが,ハンドクリーム塗布部位は逆に痛みが増強した。 顕微鏡の観察では,デュオアクティブET貼付部は皮膚紋理がかなり再生していたが,ハンドクリーム塗布部位は全く再生していなかった。 【結論】 尿素含有ハンドクリームには,損傷のある皮膚(=ヒビ,アカギレ,肌荒れ)の治療効果は認められなかったが,デュオアクティブETには治療効果が認められた。 なお,余談であるが,撮影部位を決めるために皮膚に油性マジックでマークしたが,ハンドクリームで簡単に落とせることに気がついた。石鹸でいくら洗っても落ちない油性マジックなのに,ハンドクリームでは数十秒で落とせる。皮膚の皮脂もさぞかしよく落としているのだろう。 (2008/02/15)

  • 新しい創傷治療:ハンドクリームの人体実験

    【目 的】 市販の尿素10%含有ハンドクリームが正常皮膚に及ぼす影響を調べるため,自分の皮膚を用いて実験した。 【Materials and Method】 病院の売店で購入したハンドクリーム,【ウレノア ホワイト しっとりなめらかクリームN 尿素10%配合】を使用。2008年2月14日から25日までの連続12日間で行った。 自分の右前腕伸側遠位部の皮膚に直径1.5センチ程度の部位を選び,ここにハンドクリームを塗布してフィルム材で密封し,一日に2~4回程度,フィルムを剥がしては塗布部位をよく洗い,その後またクリームを塗布してフィルムで密封を繰り返した。仕事の合間に実験を行ったため,クリーム塗布の回数は一定にできなかった。また,クリームを塗布せず,フィルムで密封しただけの部位をコントロールとし,12日後に比較した。 観察は実体顕微鏡,Dino-Lite Plus,60倍拡大で行った。 【結 

  • 新しい創傷治療:

    市販のハンドソープ(ライオン社,キレイキレイ薬用キッチンハンドソープ)を皮膚に接触させ,それで皮膚がどのように変化するか,自分の皮膚で実験してみた。撮影に使用した実体顕微鏡は下記のDino-Lite Plusである。 【実験1】 手背近位正中に泡立てたハンドソープを乗せて1分後に石鹸を洗い流して撮影,さらに同じ部位に石鹸を乗せて5分後に洗い流して撮影した。撮影は同じ部位で行った。

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 皮膚に油性マジックがつくとなかなか落ちない。石鹸でゴシゴシと洗ってもなかなか落ちない。一方,ハンドクリームにはかなりの量の界面活性剤が含まれていて,油汚れを落とすのに効果的といわれている。その洗浄効果を確かめてみた。 【Material and Method】 自分の左前腕屈側中央に油性マジックで幅1センチの線を引き,これを二つに分け,一方にハンドクリーム,もう一方に白色ワセリンを塗布し,接着剤付きポリウレタンフィルム材で密封する。この状態を数分続けた後にフィルムを除去し,ティッシュペーパーで別々に軽く拭き,マジックの落ち方を観察する。 その後も〔水洗い〕⇒〔クリームとワセリンを塗布〕⇒〔フィルムで密封〕⇒〔一定時間後にフィルムを除去〕⇒〔ティッシュで別々に軽く拭き取る〕⇒〔観察〕⇒・・・を繰り返した。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:手荒れ用ハンドクリームで手が荒れる

    この実験から,油(ワセリン)とクリームを混ぜると両者は容易に混ざり合い,乳化することがわかる。 写真には撮っていないが,ワセリン単独と,クリームで乳化したワセリンをそれぞれ手背の橈側と尺側に塗り,お湯で洗って落ちるかどうかも実験してみた(お湯を使ったのは水が冷たいため)。 結果であるが,ワセリンはお湯でしつこく洗っても落ちないが,クリームと混ぜたワセリンはお湯で洗い流せた。 以上から,皮膚にクリームを塗ると,皮膚の油分(皮脂)はクリームで乳化し,お湯で洗い流されると予測できる。 【ワセリンを塗るとどのくらい水をはじくのか】 以前紹介した方法に従って両手の手掌,手背,手指をワセリン・ワックスがけした。コツは,十分に時間をかけてくまなく揉み込むことと,余分なワセリンをペーパータオルなどで十分にふき取り,ベタつきを完全に除去すること。ま,要するに,車のワックスがけ,床のワックスがけと同じである。

  • 新しい創傷治療:ベルコムローション

  • 新しい創傷治療:エキザルべを傷に塗ってみた

    エキザルべは塗布直後はワセリンとの違いは感じられず,どちらも痛みは治まり,実験をしていることを忘れそうになった。しかし数時間を経過する頃からエキザルべ塗布部だけわずかに痛くなってきた。ただし気になるような痛みではなかった。 痛いなぁ,と思ったらエキザルべ塗布部分にだけ浅い潰瘍ができていた。シャワーで洗うとすごく痛い。これにて実験中止。 一方,ワセリンを塗布した部分は全く痛くなく,触っても痛みなし。 【感想めいたもの】 他の薬剤では見ることがない「混合死菌」というなにやら正体不明ものを主成分とする軟膏だが,これには白血球遊走能増強による感染予防と肉芽形成促進作用を持っていると効能書きに書かれている。 ずいぶん昔から使われている軟膏という印象を持っているが,開発されたのが1957年で販売が1959年,つまり,私(1957年生まれ)と同い年であり,50年間現役というのは半端ではない。 この軟膏は

  • 新しい創傷治療:アクトシンで人体実験

    【目 的】 これまで2度行ったアクトシンを傷に塗布する実験では,いずれも塗布直後から痛みが発生し,潰瘍を作ることを確認したが,いずれも「ガムテープ50回剥離」で行っていた。剥離回数を少なくした場合にも同様の現象が発生するのかについて人体実験した。 【Material and Method】 筆者自身の左下腿内側にガムテープを貼付して剥がす作業を10回行った部分,20回の部分,30回の部分を作成し,全てにアクトシン軟膏を塗布しガーゼで覆った。一日に2回ほど実験部位を洗って顕微鏡で撮影し,また軟膏塗布とガーゼ保護を行った。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 前回の人体実験でアクトシン軟膏を傷に塗ると非常に痛く,しかも傷が深くなることを経験したが,その追試を行った。 【Material and Method】 自分の上腕遠位部屈側を実験部位とし,ガムテープを50回ほど「張っては剥がす」操作を繰り返して皮膚表面を損傷した。これを二つに分け,一方はプラスモイスト貼付,もう一方はアクトシンを塗布しガーゼで覆った。プラスモイストとアクトシンは一日に2~3回交換した。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:アクトシン軟膏で人体実験

    【目 的】 アクトシン軟膏は皮膚潰瘍や熱傷,褥創の治療に広く使われている軟膏であるが,実際に使ってみると早く治る(ような印象のある)症例と,なかなか治らない症例があり,その効果がいまいちはっきりしない軟膏である。実際のところどうなのか,自分の体で実験してみた。 【Material and Method】 自分の右前腕近部部背側に1×5センチの局面にガムテープを張っては剥がす作業を50回繰り返し,角層破壊創面を作成した。ここを三等分し,各々,アクトシン塗布,乾燥,プラスモイスト貼付し,経過を観察した。創面の様子は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 前回行った実験の追試である。 【Material and Method】 方法は前回行った実験と全く方法で,筆者自身の右上腕屈側遠位に皮膚表層欠損創を作り,今回は乾燥部位(ガーゼで覆うのみ)とカデックス軟膏塗布部位を比較した。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行ったが,倍率は20倍と60倍で撮影した。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 褥瘡や感染創の治療に広く使われているのがカデックス軟膏だ。ポリマーにポピドンヨードに混ぜて徐放剤とした軟膏だ。褥瘡治療の専門家の間では評価の高い薬剤である。これを傷に塗るとどうなるのかを調べた。 【Material and Method】 筆者自身の左上腕外側に皮膚表層損傷創を作成し(荷造り用が無テープを50回張って剥がした),これを二つに分け,一方をプラスモイストで覆い,もう一方にカデックス軟膏を塗布してガーゼで覆った。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 ユーパスタも広く褥創治療や難治性潰瘍の治療に使われている薬剤である。当に創を治癒させる効果があるのかどうか疑問に思い,自分の体で人体実験することにした。 【Material and Method】 筆者の右下腿内側に「ガムテープを張っては剥がす」操作を行って皮膚表層損傷を作成した。10回貼付と剥離を繰り返した部位,20回の部位,30回の部位と異なる深さの損傷を作成した。 ここにユーパスタを塗布し,ガーゼで覆い,一日に1~2回,塗布を行った。観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】