あなたはソファーで寝転びながら、スマホを使ってお菓子を注文する。当日配送といっても、早くても夕方くらいか。そう思っていると突然ドアベルが鳴る。「宅配便です」と訪問者は言う。「なぜこんなに早く配送できたんだ?」と聞くと、彼は「そろそろ注文なさると思いましてね」と答える。 あなたがスマホを眺めていると、ある作家の記事が炎上していた。この作家は暴言が多そうだ。過去の記事を読むと、スルーされてきた数々の暴言がある。この作家の本を読めばネタになるだろう。あなたはさっそく書籍を注文する。すると、またしてもドアベルが鳴る。書籍の配達だった。「なぜ、こんな早く?」。配達人は「そろそろこの作家が気になるんじゃないかと思いましてね」と答える。 クリスマスイブの夜、あなたは彼女と良い雰囲気になる。ちょっと酔わせてみたくなったあなただが、安酒しか持っていない。あなたは、スマホから高級なシャンパンを注文する。すると
会社勤めをしていたときのことだが、ワタシとふたりして取引先を訪問すると、先々で「上司」のもてなしを受ける後輩社員がいた。 仮名をウエシマ君としておくが、段取りを覚えてもらおうと、ワタシが営業トークをしているその一歩下がったところで、ウエシマ君は、周囲を見回したりしながら腕組みしている。 「なにもすることがないし。話を聞いているのも退屈だったので」 ウエシマ君は、あとでボソッと口にした。「退屈」の一言にカチンとはきたが、おさえてみた。そのヒマをもてあましていただけの態度は、先方にはちがった印象を与えていた。 部下の日ごろの仕事ぶりを確認するために、付き添ってきた部長サン──入社3日目のウエシマ君は、そう見えたらしい。 さて、突然ですが、問題です。次のことは本当でしょうか? 1. ヘルメットや帽子を被ると薄毛になる。 2. 海草を食べると髪が増える。 3. 白髪の人は薄毛にならない。 「脱毛が
ヤマト運輸メール便廃止の衝撃 衝撃的なニュースだった。ヤマト運輸は2015年3月をもってメール便を廃止すると発表した。もともと同サービスは1997年にスタートした。カタログ等を届け先のポストに配達する。A4サイズの厚さ1センチメートルが82円、2センチメートルが164円と安価な価格設定により、多くのユーザーを獲得してきた。 が、ここにきて、その毎年20億冊以上を取り扱うサービスの突然の廃止。多くのメディアで取り上げられ、ネット上でも様々な議論を呼んだ。ヤマト運輸の山内雅喜社長は、会見で「信書」について問題をクリアできなかったと述べた。メール便は信書を扱えないものの、同社が知らぬうちに信書を運ぶ例が頻発し、郵便法違反で書類送検となるケースもあった。利用者のリスクを勘案すると、サービスを廃止する判断にいたったのだという。 しかし、それにしても、この古くて新しい「信書」問題とは何なのか。そして、
ホンダが、「フィット ハイブリッド」の5回目のリコールを発表した。事態を重く見た同社は、役員の報酬減額や、品質改革担当役員を置くなど、再発防止に懸命だ(関連記事はこちら)。発売直前だった新型車も時期を遅らせ、品質の再確認に万全を期しているという。クルマのリコールがこれだけ話題になるのは、米国でトヨタ自動車が2009~2010年にブレーキの不具合で大量のリコールを出したとき以来だろう。 最初にフィット ハイブリッドのリコールのことを聞いた時、ホンダには失礼な言い方になるが、「やっぱり」と思った。というのは、フィット ハイブリッドに採用されたホンダの新世代ハイブリッドシステム「i-DCD」のことを取材したときに、その制御の複雑さに驚いた覚えがあるからだ。今回ホンダがフィット ハイブリッドで出した5回のリコールのうち3回に、このハイブリッドシステムに使われている変速機「DCT(デュアル・クラッチ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 皆さん、日本の裁判では事件の「真相」は原則的に明らかにされないという事実をご存じですか? 貨幣を情報という本質から考察する最大のご利益の1つに、IT(情報技術)ネットワーク等を悪用する詐欺事件の本質を白日の下にさらし、かつ法律がなし得ない再犯防止のための具体的な知恵を、企業や個人にもたらすことが挙げられます。今回は少し力を入れて、それをご覧に入れたいと思います。 独創的な犯罪には効果を十分発揮しない「法律」 今月、新しい本を出しました。刑法の團藤重光先生に日本の法律の本質についていろいろな角度からお話をうかがった『反骨のコツ』(朝日新書)です。 詳しいことは、そちらも見ていただきたいのですが、今もし「出資法違反」あるいは「詐欺罪」で誰かが逮捕
みなさんこんにちは。この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。 ご挨拶が遅れましたが、私はフェルディナント・ヤマグチと申す者(47歳)です。皆様と同じようにビジネスの最前線で仕事をする傍ら、アチコチの雑誌で連載を持っています。 つまりクルマ業界に接してはいますが、本業ではない。首まで浸か
4月、インターネット通販最大手のアマゾンジャパンが酒類の直接販売を始めた。販売ページには、「アサヒスーパードライ」、「キリン一番搾り」、「サントリープレミアムモルツ」など、大手ビールメーカー各社の看板商品のほかに、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワインなど様々な酒が並ぶ。 銘柄が非常に多様でかつ、持ち運ぶには重い酒類は、ネット通販が比較的強みを発揮しやすい分野とされる。小売り店舗に比べて郊外の倉庫で豊富な品揃えができ、配送を希望する購入者も多いからだ。ネット通販で圧倒的な存在感を持つアマゾンの直販は、少なからず業界関係者に衝撃を与えた。 「アマゾンは免許をどうしたのか」 だがそのニュースが駆け巡ったのと同時に、酒類販売の業界関係者には1つの疑問も浮かんだ。それは、「アマゾンは免許をどうしたのか」というものだ。 日本国内で酒類を販売するためには、免許が必要なことは多くの方がご存じかと思う。 もう少
年上の人とうまく人間関係を築けません Q私の悩みは年上の人とうまく人間関係を作れないことです。 同世代とは気楽に付き合えるのですが、同じ職場の先輩や上司との間に壁を作ってしまっています。 年上の人を前にするとどうしても構えてしまい、本音を言えず、通り一編のコミュニケーションに終わってしまうためです。 多くの作家の方々と強い信頼関係を築いてこられたシマジさんに、年長者と上手に付きあう方法を教えていただきたいのですが…。 (29歳男性・化学メーカー勤務) 臆せず飛び込んでいけ シマジ:質問者は年長者ともっと深い人間関係を築きたいとは思っているわけだ。それは評価できる。若い人が自分を成長させようと思うなら、年上の人と付きあうことはものすごく大切だからね。 子供時代を思い出してほしいのだけど、例えば小学校2~3年生の男の子なんていうのは、近所の5~6年生のお兄ちゃんたちと遊ぶことで急にしっかりしだ
山口 勉 ヤマグチ代表取締役 1965年に東京・町田市でパナソニック系列の家電販売店「でんかのヤマグチ」を創業。90年代後半、大手量販店の進出を受け、訪問販売を主軸にきめ細かなサービスを提供する経営へ転換。 この著者の記事を見る
「せめて、飲み会ぐらいちゃんと仕切ってくれよ!」 社会人になってすぐの頃、先輩からこう“激励”されたことを思い出す。1998年4月、私はITバブルに沸く出版社(「Windows95」ブームで、パソコン雑誌が売れまくっていた日経BP社のことでございます)に滑り込んだ。小さい頃から憧れていた記者になれたはいいが、現実の私は、こっぴどく叱られる毎日を過ごしていた。 甘い(「スキだらけで不完全な」という意味)原稿をデスクに見せると、両の目がみるみると吊り上がっていくのがよく分かった。今から思えば先輩諸氏に感謝しているが、入社してからの数年間は説教されている記憶しかない。 宴会の予約も新人の大切な仕事であった。これもまた、よくしくじった。大学時代、「宴会部長」を自認していた私ではあるが、社会人が求める宴会は学生のコンパとは違っていた。 ある時、大事な取材先のお偉いさんと会食をセットするよう指示された
矢野:そうですか。 店舗の中で、居場所と体の動きを検知できるセンサを従業員が身に着けて、来店したお客様にも買い物の間だけ身に着けてもらい、毎秒20回ずつひたすらデータを取り続けるわけですが、それを解析した人工知能コンピュータがすごく意外な影響要因をはじき出した。 店内のいくつかの「ある特定の場所」に従業員が「いる」だけで顧客単価が向上するというんですね。そこでの滞在時間を1.7倍にしただけで顧客単価が15%も増えたとか。でもそれがどういう理由なのか言葉ではうまく説明できない。これは、具体的にはどういうことをコンピュータでやっているんですか。 矢野:ごく単純に言うと、1人のお客さんがいくらお金を使うかという売り上げというマクロな量に対して、影響を与えるかもしれない要因はものすごくたくさんあります。そのたくさんの要因の中で、影響がありそうな候補を何千個、何万個と自動で作り出し、かつそれらを絞り
小保方晴子さんがSTAP細胞論文問題で記者会見を開いた日の午前中、さる新聞社の社会部を名乗る記者さんから電話がかかってきた。午後からの記者会見を視聴したうえで、感想のコメントを提供してほしいという取材依頼だった。 しばらく考えて、お断りした。 先方には、コメント取材に応じられない理由として 「この件については、継続的にウォッチングしていないので、会見の中で出てくる言葉に関して、適切に判断できる自信がない」 という主旨の話をしたのだが、本心はもう少し複雑だった。以下、その「理由」について説明してみる。 この種の出来事についてコメントを求められた際の正しい対応は、多くの場合、思ったことをそのまま語ることに尽きる。多少ヌルくても、観察が届いていなくても、長い目で見て、正直にまさる戦略は無いからだ。 大向こうの受けを狙って、うがった意見を言おうとしたり、珍しいものの見方を誇示しようとする態度は、と
MtGOXの放漫経営については報道で徐々に実態が明らかとなりつつあるが、Bitcoin自体のアルゴリズムやスキームについては、MtGOX破綻と分けて考える必要があるとする論調が多い。確かに、MtGOXの閉鎖後もBitcoin価格は堅調に推移しているが、Bitcoinネットワークを支えるコスト構造や決済の実需については十分に理解されているとは言い難い。本稿ではBitcoinそのものを支える手数料や運営コストの構造を明らかにしていく中で、この仕組みが本当に持続可能なのか、今後どのような問題が起こり得るかについて検討していく。 決済額ではなくデータ量で決まる手数料 Bitcoinを使っていて分かりにくいことの1つに手数料の考え方がある。 約600円に相当する0.01BTC 以下の少額取引には約6円(0.0001BTC) の手数料がかかる。新しく掘り出された額面の小さなコインでは即座に送金できず、
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