【日高彰の業界を斬る・20】 中国都市部で店舗を増やしている生鮮スーパー「盒馬鮮生」(Hema Fresh)が、昨年ごろから日本でも話題になっている。米国ではアマゾンがスーパーのホールフーズを買収したことが大きなニュースになったが、盒馬にも似た構図があり、同社には中国のEC最大手アリババグループが出資している。なぜ注目されるのかを知るため、上海の店舗を訪れてみた。 ECの豊富なコンテンツを売り場に反映 店内に足を踏み入れた第一印象は、日本の食品スーパーとそれほど異なるものではなかった。確かに、生けすで泳ぐ鮮魚をその場で調理してくれるサービスや、アリババのモバイル決済サービス「Alipay」専用のセルフレジなど、物珍しさが感じられるコーナーもあったが、驚くほどではない。品揃えは買い得感よりも上質さを重視している印象で、日本で言えば「クイーンズ伊勢丹」のそれに近い。 商品の横には、電子ペーパー