1912年、古本屋業を営んでいたウィルフリッド・ヴォイニッチは、イタリアの寺院で奇妙な本を見つけた。 そこには、どこの国のものでもない言語がびっしりと書き記されている。文字に添えられた植物のイラストもまた、現実の世界には存在しないものばかり。 放射性炭素年代測定によると、15世紀に書かれた文書であるらしい。だが、発見から100年以上が経った今も、何が書かれているのかは不明のまま。世界の大いなる謎として語り継がれ、オカルト的な関心を集め続けてきた奇書。 それが「ヴォイニッチ写本」である。 これまで何度も「解読に成功した!」という報告がなされてきた。しかし、しばらくすると「あの研究結果は間違っている!」「今度こそ解読した!」などという報告が別のところから流れてくる。情報が錯綜し、一向に真相のつかみどころのない謎多き文書である。 しかしなんと、そんなヴォイニッチ写本に関する最先端の研究を行う人物
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