日本の古典文学や古文書などの「くずし字」を解読する人工知能(AI)に注目が集まっている。情報・システム研究機構が開発したAIは、くずし字を瞬時に現代の文字に変換する。今後、国文学研究資料館などと協力し、大量の古典や古文書を解読するプロジェクトに乗り出す。(中居広起) 「古典の解読は、専門家でも1ページあたり10分程度はかかります。このAIなら、1ページを1秒間ほどで解読できます」 くずし字解読AIのソフト「KuroNet(クロネット)」を開発した同機構人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)のカラーヌワット・タリン特任助教はそう話す。 タリンさんのパソコンの画面に、兼好法師の「徒然草」を表示してもらった。現在私たちが使っている文字とは異なる形の字が多いうえ、上下の字がつながっていてなかなか読めない。 この画像をKuroNetに取り込むと、即座に解読が終わり、くずし字の横に赤字で現代