【ニューヨーク=田中光】米国史上最悪とされるメキシコ湾での原油流出事故で、米政府の研究者は10日、1日当たりの流出量の推定値を約3180〜約6360キロリットルに見直すとした。これまでの推定値より最大で2倍以上になり、環境汚染の規模が想定以上に大きくなる恐れが出てきた。 従来の政府による流出量の推定値は1日当たり約1900〜約3千キロリットルだったが、研究者らは新たに得られた画像を分析するなどして数値を見直したという。 今回の推定値は、海底にある油井の安全弁に装置をつないで原油を海上のタンカーに吸い上げるため、原油の流出源となっていたパイプを安全弁から切り離す前の数値。切断により流出の勢いが増したとの指摘も出ており、流出量を算出する政府の委員会に参加する大学教授は米メディアに、現在の流出量は約1万6千キロリットルに達している可能性もあると語った。 海底に設置した装置による原油回収量は