「テープを投げるよ。ほら手伝って」 国立競技場のゴール裏にいた少年は、見知らぬ大人から緑色の紙テープを渡された。 2005年元日、天皇杯決勝。東京ヴェルディ1969(現東京ヴェルディ)はジュビロ磐田を2-1で破り、8年ぶりのタイトルを獲得する。合図に合わせ、紙テープを投げ込んだのは、当時9歳の高木大輔。スタンドから濁流のように広がる、美しい緑の光景を記憶している。 2007年11月25日、味の素スタジアム。ホーム最終戦、東京Vは愛媛FCに2-1で勝利し、J1昇格をほぼ手中に収める。この年、東京Vジュニアで全国制覇を成し遂げた高木大は、チームメイトとともに応援した。歓喜に沸くゴール裏、頭上から緑の折り鶴が舞った。 「いつか自分もあのピッチに立って活躍する。チームをもっと強くするんだと無邪気に思ってましたね。それからだんだんと現実を知ることになるんですが」 そう苦笑する高木大は、2013年にユ
![最後のタイトルから12年が経ち……。東京ヴェルディ、3つの「P」で復活。(海江田哲朗)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/530808d89a11151a522d853ed054c5884d2fcfa3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F1%2F-%2Fimg_a15daf25ccb0554b956336e4afec614c91396.jpg)