キ64は、第二次世界大戦(太平洋戦争)中に試作された日本陸軍の戦闘機。開発・製造は川崎航空機、設計主務者は土井武夫技師[1]。エンジン2基の串型配列、二重反転プロペラの採用、翼面蒸気冷却方式の採用など意欲的な機体だったが、テスト中に機体を破損しそのまま終戦を迎えた。 1940年(昭和15年)8月に陸軍から出された時速700 kmを出す重戦闘機の要求に従って、川崎で開発されたのがキ-64である。川崎では1939年(昭和14年)頃から液冷式発動機を串型に配置した高速機を研究していたが、これに陸軍が着目しての開発指示だった。当初の予定では1942年(昭和17年)3月に試作1号機を完成させ、12月までに審査を終了させることになっていた。しかし、技術的な問題から開発は難航し、試作機の完成は1943年(昭和18年)になってしまった。 エンジンは、ダイムラー・ベンツDB601Aを国産化したハ40を2基を