底なしに見えた不況もどうやらどん底を脱出し、我が国の経済もなんとなく明るさを取り戻しつつあるようだ。これまで緊縮財政を強いられてきた分、そろそろ情報化投資でも、と考えている企業も多いのではないだろうか。 だが、ちょっと待って欲しい。いや、システム屋のはしくれとしては、もちろんどんどん情報化には投資して頂いた方が有り難いのであるが、無計画にお金をばらまいてもらっても、結局はまたあの忌まわしき「なんとかバブル」の繰り返しで、ベンダーにもユーザにも幸福な結果にはならないと思うのである。 ……と、第一回からトばして申し訳ないが、これだけはあらかじめ言っておきたい。ただ闇雲にお金をばらまいてみたところで、企業の情報化というのは絶対に「よくならない」。 もちろんどんなシステムでも、計画があり予算があって、きちんと設計を行った上で開発、導入されているはずだ。だが、自社の情報化の歴史をもう一度振り返ってみ