「同じ作業を続けていると、脳は『省エネ化』します。『省エネ』とは、いつも使っている機能にエネルギーを集中するために、ほかの機能で使う分のエネルギーをカットすることです」と築山氏は説明する。 築山氏は、一点集中で脳機能を使う状態のことを「高速道路状態」と表現する。高速道路を走っているときは前方のみに集中して、前方以外から来る情報にあまり注意を払わなくなる。つまり、一部の機能だけオン状態で、ほかの機能はすべてオフになっている状態だ。 しかし、「このような偏った脳の使い方をすべきではない」と、築山氏は忠告する。「ただ同じ作業をひたすらこなすだけなら、機械でもできます。しかし、当たり前の話ですが、人間は機械ではありません。人間が持つ『冴えた感覚』を使って仕事をしたいなら、脳をバランスよく動かさなくてはなりません」 ハードの異常ではない。これはソフトの問題だ 築山氏は、脳の偏った使い方について危惧(
まもなく40歳になるヨシムラさん(仮名)は、中学時代、生徒会や放送委員を務めるほどの目立ちたがり屋で、将来、テレビ局のアナウンサーか政治家を目指していた。そんな性格から、当時は、生徒会の先輩に対しても、物おじせずに意見を言ってしまうところがあった。 ある日、ヨシムラさんは、先輩から体育館の裏に呼び出されて、「おまえは、後輩のくせに生意気だ!」と“焼き”を入れられた。それを機に、彼はどもって声が出なくなったり、人前に出ると緊張して手に汗をかいたり、動悸がするようになった。 しかし、学校の成績は良かったため、都内の一流私立大学を難なく卒業した。その後、司法試験を受け続けたものの、なかなか合格できずにいた。 生活に支障をきたすようになったのは、30歳のときに学習塾の講師になってからのこと。とくに父兄を前にすると、どもって声が出なくなり、手に汗をかいた。自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことが
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