(右:参考画像 デューク・エリントン『極東組曲』ジャケット) I 先ほど、「他者」としての「場所」であるエキゾティシズム、「他者」としての「肉体」であるエロティシズム、「自意識」にたいする「他者」としての「無意識」という話をしましたけれど、エキゾティシズムにはもうひとつの要素があると思います。それは「他者」としての「時間」という要素ですね。『南米のエリザベス・テイラー』を聴かせて頂いてわたしは、「時間」を「時間」が内包するような意識、というものを感じたのですけど、菊地さんは音楽における「時間」の問題をどう捉えていらっしゃいますか。 K それはぼくにとっては完全に音楽の構造分析をめぐる問題になってしまいますね。きょうはこんな場所に来ていて、(藝大の)学生さんも多いと思うので、話してしまいますけど、エキゾチックにも二種類あると思うのですね。まずこれを聴いてください。 〔デューク・エリントン『極