どうかあの建物を大切にして下さい――。和歌山県新宮市立神倉小学校(児童528人)に、こんな「お願い」が書かれた一通の手紙が届いた。差出人はアニメ映画監督の宮崎駿さん(75)。旅行で立ち寄ったときに目にした、木をふんだんに使った体育館(屋内運動場)のたたずまいにひかれたのだという。 スタジオジブリや学校によると、宮崎さんが新宮市を訪れたのは11月8日。ジブリの社員旅行で熊野地域を回るなかで、神倉神社・ゴトビキ岩をスタッフ一行で見学した。そのとき鳥居のそばから見えた、雨の中に立つ体育館の姿に一同が魅せられ、学校を訪れて由来を尋ねたのだという。 時刻は夕方で児童はすでに下校していて、宮崎さんらと子どもたちとの交流はならなかったが、居合わせた教職員ら約10人で突然のゲストを迎え、記念写真を撮るなどしたという。 数日後に宮崎さんから学校宛てに届いた手書きの手紙には、急な訪問について「見事な講堂に、が