「ありがとう。お陰様でだいぶよくなったみたいだよ。」 そう言って晢也さんはベッドから身を起こし横にいる愛香の手を握った。 「よかった。昨日も夜中苦しそうにうなされていたから…。」 「ごめん、もしかしてそのせいで眠れなかった?」 「ううん違うの。私は大丈夫だから気にしないで。ご飯にしましょ。栄養のあるものをつくるわ。」 Tシャツと下着一枚でキッチンへ向かう綺麗な後ろ姿を見送り、晢也さんはテーブルの横にある煙草を手に取って火をつけた。宙を浮遊する淡い煙とカーテンから刺し込む光を眺めて、晢也さんは深いため息を吐いた。 「たくさん食べてね。お野菜をたくさんつかったの。」 「すごいね。俺まさにこんなの食べたいと思ってたんだよ。おいしそう。っていうか愛香は毎回毎回ホントに僕が食べたいと思ってるものを作ってくれてすごいよね。やっぱり僕らって相性完璧だからテレパシーみたいなものあるのかもね。」 「そうかも