ベテラン切りと契約社会 【西部謙司】2010年12月16日 長年クラブに貢献してきたベテラン選手が、いとも簡単に「0円提示」をされる。選手をモノ扱いするようなクラブ側の態度には、ファンも怒りを感じているかもしれない。 契約の終了した選手には、移籍金が発生しなくなった。昨年から実施されている移籍の新しいルールだ。チームの顔ともいえるベテラン選手が、まだ十分働けるというのに退団を余儀なくされている背景には、新しい移籍ルールの影響があるように思える。 契約の切れた選手は自由に移籍ができる。それまで発生していた移籍金がかからないのだから、契約切れ選手は移籍しやすくなった。半面、クラブ側は違約金を払ってまで選手を獲得しようとはしなくなった。現在、Jリーグで違約金が発生する移籍はまれだ。 クラブの予算が縮小して、人件費を削らなければならなくなったとする。そのとき、契約期間中の選手についてはタッチできな