佐世保市の県立高校1年生が殺害され、同級生の少女が殺人容疑で逮捕された事件は、日々拡大しつつある。 第一報が届いた時点では曖昧模糊としていた犯行の詳細が、翌日になってから、少しずつ明らかになる。続き物のドラマみたいな展開だ。 あわせて、容疑者の少女に関する周辺情報が、様々な方向から漏れ出してくる。 画面のこちら側から見ていると、まるで、犯罪ドラマの演出に精通した人間が、事件に関する情報の出し入れを、クライマックスに向けてコントロールしているようにさえ思える。 それほど、小出しにされてくる情報のいちいちが扇情的にデザインされている。 そんなわけで、事件が起きて以来のこの数日、報道の量は、むしろ増加している。 特に地上波テレビの情報番組は、スタジオごと佐世保に移転したみたいな勢いで、関係者のプライバシーを掘り起こしにかかっている。 スタジオで画面に登場する人たちは、異口同音に 「衝撃を受けた」