頼めなかった。 2つ年下の女とデートの途中、近場のカフェで休憩しようという話になった。彼女はケーキを食べたいのだと言った。僕は「いいね」と言いカフェに入った。 カフェの入ってすぐのところにケーキが陳列されていた。彼女に席を確保してもらって先に注文をとりにいった。ケーキは注文カウンターから微妙に見えない位置にある。ただ、僕はもうカウンターへ来てしまった。カウンターへ来てしまった以上素早く何か注文をしなければいけない。もたついて周囲へ迷惑をかけてしまってはいけない。よってケーキを頼まずにコーヒーのみを注文する。 彼女からは「あれ?ケーキ頼まなかったの?」という怪訝な顔をされる。ケーキを頼まなかった辻褄を合わせるために、甘いものは苦手なんだ、と新しい設定を作る。しかしそうなると先程の「いいね」と同意したことへの矛盾が生じる。瞬時に脳内であの「いいね」は、「一緒もケーキたべるのいいね」ではなく「君