ブックマーク / book.asahi.com (6)

  • 斎藤幸平さん「ゼロからの『資本論』」インタビュー 非正規・格差・環境破壊…資本主義の矛盾を乗り越えるために|好書好日

    斎藤幸平さん=北原千恵美撮影 斎藤幸平(さいとう・こうへい) 東京大学准教授。1987年東京生まれ。ウェズリアン大学卒業、ベルリン自由大学哲学科修士課程・フンボルト大学哲学科博士課程修了。大阪市立大学准教授を経て現職。著書に『大洪水の前に――マルクスと惑星の物質代謝』(角川ソフィア文庫)、『人新世の「資論」』(集英社新書)、『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)など。 ゼロから資主義以外のあり方を考えるべき ――ソ連が崩壊して30年以上経ちますが、なぜ今『資論』なのでしょう? ソ連が崩壊した後、1990年代以降は資主義のグローバル化が一気に進みました。社会主義は失敗し、資主義こそが唯一の道だという考えが非常に強くなりました。だけれども、その後、格差は拡大し、地球環境は著しく劣化した。行き過ぎた資主義の問題は多くの人が感じています。その限りで

    斎藤幸平さん「ゼロからの『資本論』」インタビュー 非正規・格差・環境破壊…資本主義の矛盾を乗り越えるために|好書好日
    massarassa
    massarassa 2023/02/13
    “周りと近所付き合いもないし、会社では労働組合もない。それでは会社からクビにされたりしても抵抗できない。誰ともつながれない状態では、資本主義という巨大なシステムに翻弄されてしまう"
  • 坂口恭平さん『躁鬱大学』インタビュー 気分の波に悩むすべての人に贈る“読むクスリ”|好書好日

    文:岩恵美、写真:北原千恵美 坂口恭平(さかぐち・きょうへい) 1978年、熊県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。作家や建築家、絵描き、音楽家などとして多彩な創作活動に取り組む。躁病であることを公言し、自らの携帯電話(090-8106-4666)で「いのっちの電話」の相談員も務める。近刊に『自分の薬をつくる』(晶文社)、『苦しい時は電話して』(講談社現代新書)、パステル画集『Pastel』(左右社)など。現在は熊市を拠点に活動。2023年に熊市現代美術館にて個展を開催予定。 Twitterとは体質である ――昨年noteにアップされた時には、躁病と診断されたことがない自分には関係ない内容かなと思って読んでいなかったのですが、大間違いでした。気分の浮き沈みは、大なり小なり人にはつきものですもんね。 僕は『躁大学』っていう体(てい)がただ欲しいだけ。言おうとしているこ

    坂口恭平さん『躁鬱大学』インタビュー 気分の波に悩むすべての人に贈る“読むクスリ”|好書好日
    massarassa
    massarassa 2021/05/24
    “ふて寝社会ですよ。でも、そうやってベッドで寝こんでいても疲れが癒えることはないんです。なぜなら、ベッドの中で自分をずっと攻撃しているから。自分のものではない、他人が作った既成の言葉で”
  • 柴崎友香さん「待ち遠しい」インタビュー 異なる世代、人生への共感 |好書好日

    作家・柴崎友香さん 変化した社会 書けることあるかと 住み心地のいい一軒家の離れで暮らす春子は39歳。実家を出て10年、ひとり暮らしに満足している。仕事をして、たまに女友達と会い、休日には趣味の「消しゴムはんこ」を彫る。そこへ、母屋に住む高齢の大家さんが亡くなり、長女で63歳のゆかりが越してくる。裏手には、ゆかりの義理の姪(めい)、沙希も住んでいて、新婚で25歳の沙希は早く子どもが欲しいと焦っている。 「自分が40代に入って、時代的にも世代的にも上と下の両方を見渡せるようになった。たとえば、インターネットがない時代と、ある時代とか」。いまの30代前半は景気の良かった頃の感覚を知らず、逆に上の世代には、若者の切実さが伝わらないことも。「私が生きてきたあいだ、日の社会はすごく変化が激しかった。移り変わりを見てきたなかで、何かしら自分に書けることがあるんじゃないかと思ったんです」 生きてきた時

    柴崎友香さん「待ち遠しい」インタビュー 異なる世代、人生への共感 |好書好日
  • 朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日

    ――平成という時代を象徴する作品として『1Q84』と『ねじまき鳥クロニクル』が、多くの識者の支持を得ました。 平成が始まってまもなく、1991年1月にプリンストン大学の客員研究員として招聘され、渡米しました。ちょうど湾岸戦争が始まって米国は重い雰囲気の中で、『ねじまき鳥クロニクル』を書き始めました。仕切り直しという気持ちが強かったですね。 昭和の末に『ノルウェイの森』(87年)が思いもよらずベストセラーになって、ストレスフルだった。日を離れ日人にも会わず、こもりっきりで、集中して書けた。『ねじまき鳥』は僕にとっても象徴的で意欲的な小説。一番大事なのは『壁抜け』です。主人公が井戸の底でひとりずっと考えていて、別の世界に通じる。深層意識の中に入って行き、出入り口を見つける。『ねじまき鳥』で初めて出てきた『壁抜け』は、小説的な想像力を解き放ち、物語の起爆装置になりました。 ――暴力や根源的な

    朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日
    massarassa
    massarassa 2019/03/08
    “原発を廃止しろと直接言うより、それがどれだけ人を傷つけたかを訴えることが小説家の仕事。でも、現在のように、ポピュリズムがある程度の勢力になっている時代では、言わなければいけないこともある”
  • 梅原猛の世界 真実と快楽の両立、信念貫く|好書好日

    梅原猛氏が亡くなった。京都学派の精神を引き継ぎ、東西の伝統を融合した「人類哲学」を唱えた偉大な哲学者だった。新作能や新作歌舞伎の台を手がけるなど、研究を離れた創作でも活躍した。全貌(ぜんぼう)はなかなか掴(つか)めないが、入口となる三冊をご紹介しよう。 まずは『水底(みなそこ)の歌』。氏は一九七〇年代前半、のち怨霊史観や梅原日学と呼ばれることになる古代史研究の著作をつぎつぎ発表している。書はその一冊で柿人麿(かきのもとのひとまろ)を扱っている。 人麿は有名な歌人だが、じつは正体はよくわかっていない。人麿とはだれなのか。どこでどのように死んだのか。斎藤茂吉の説を論破するところから始まり、人麿はじつは権力闘争に敗れ、藤原不比等により流刑となり水死した高位の宮廷歌人だったのだと結論づける著の展開は、じつに圧巻。氏の考えではそもそも万葉集自体が、権力に翻弄(ほんろう)された詩人たちが、そ

    梅原猛の世界 真実と快楽の両立、信念貫く|好書好日
    massarassa
    massarassa 2019/03/07
    “真実の追求と思考の快楽はけっして矛盾しない。むしろそれは両立しなければならない”
  • コラム別に読む : ポケットマスターピース01 カフカ [編]多和田葉子 - 市川真人(批評家・早稲田大学准教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■時間が主題の“今”の小説 光文社の古典新訳文庫が話題を呼んで、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』が百万部を数えたり、『星の王子さま』が倉橋由美子や池澤夏樹らの訳で各社から続々刊行されたり——世界文学の隆盛から時も流れ、古典を訳し直すことも多くなった。古典も端(はな)から古典ではなし、初訳時とは時代も文化も変わる。長命なほど訳は往時の息吹を失う一方、新訳の結果逆に、選別や風化に耐えた“どの訳でも滲(にじ)む普遍性”が見えもする。 言葉の精めいた多和田葉子が編訳した書にもどうやらそんな受容と需要があった。年長者には名作や挫折した長編の再読の契機に。若年層には“古典”への糸口として。事実、多和田訳の「変身(かわりみ)」はカフカの執筆当時もこれほど精彩に満ちたかと思うほど、生き生きと“今”の小説めいている。 百余年前の同作は“変身”を疫病・戦争の隠喩とする読み方や、逆に不条理の象徴とする評価が

    コラム別に読む : ポケットマスターピース01 カフカ [編]多和田葉子 - 市川真人(批評家・早稲田大学准教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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