先月に引き続き、機能安全を規定しているIEC規格61508について説明します。 先月、フェーズ5で各安全機能に対して安全度水準(SIL=Safety Integrity Level)を割り当てる話が出てきましたが、ここで安全度水準(SIL)について説明しておきます。SILとは、IEC 61508においてシステムの安全性能を表す尺度で、SIL1からSIL4まで4段階定められ、SIL4が最高の水準です。また、表1および表2に示すように、低頻度作動要求モードと高頻度作動要求モード(または連続モード)の2種類の運転モードにおける、各SILに対応した目標機能失敗尺度が規定されています。 自動車の安全システムを例にすると、低頻度作動要求モードはエアバッグに相当し、安全システムへの動作要求は年に1回あるかないかというものです。高頻度作動要求モードはブレーキに相当し、安全システムへの動作要求は時間当たりや