新薬や医療機器、多くの食品提供に関わる規制を管轄する米食品医薬品局(FDA)は26日、健康関連のソフトウエアや製品の開発者を縛ってきた規制の一部の適用を除外するパイロット・プログラムに参加する企業として、アップルなどハイテク企業9社を選定した。 FDAのゴットリーブ長官は発表文の中で、「規制の枠組みを新しくし、FDAの評価対象となっているイノベーションに則したものとする必要がある」と指摘した。 このパイロット・プログラムは、参加企業の製品について、数カ月を要することもあるFDAの標準的な申請・承認プロセスを経ずに、事前承認を与えるというもの。 プログラムへの参加を同意したのはアップルのほか、フィットビット、サムスン電子、グーグルの親会社アルファベット傘下のベリリー・ライフ・サイエンシズ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ロシュ・ホールディング。ペアー・セラピューティックスとホスフォラス、タイ
独クカは医療用協働ロボット「LBR Med(メッド)」を日本市場に投入する。各関節に高精度なトルクセンサーを搭載したことなどで、繊細な力加減や高い安全性を実現した。既に医療用電気機器の安全規格の認証を取得、11月から販売を本格化する。超音波や内視鏡検査、手術などでの利用を見込む。医療機器メーカーなどに提案し、同ロボットを含めた医療システムとして商品化する。 LBRメッドはクカの協働ロボット「LBRイーヴァ」をベースに開発。7軸の多関節ロボットで、関節部分にあたる各軸にトルクセンサーを搭載したことなどで、細やかな力加減を実現した。 例えば、LBRメッドのアーム(腕)の先に超音波を発するプローブを取り付けて超音波検査をする場合、医師が患者に触れるような力加減でプローブを操作できる。超音波検査では一定の検査技術の習熟が必要だが、同ロボットで力加減を指定すれば安定した画像を撮れるという。 一方、力
今、医療分野の人工知能(AI)開発は花盛りだ。 放射線、病理画像、臨床検査データをはじめとするさまざまな分野で、人工知能診断支援への取り組みが始まっている。 1時間で数千枚読影する内視鏡医「見落とし怖い」 この9月、内視鏡画像の人工知能による診断システムを提供する医療系スタートアップが設立された。その名もズバリ、「AIメディカルサービス」(さいたま市南区)。この事業を牽引するのが、東大医学部卒の多田智裕医師だ。消化器内視鏡専門医として20年のキャリアがある。 日本の内視鏡技術は世界のトップレベルだと言われている。それでも、「私たちは常々、がんの見落としが怖いと思っています」と多田氏は打ち明ける。 多田氏は早期の胃がんの内視鏡画像を見せながら、「どこにがんがあるか、わかりますか?」と問うた。画像には、赤みがかった胃壁が映し出されていた。だが、素人目にはどこが病変なのか、さっぱりわからなかった
大阪大学は、腹腔鏡手術でニーズが高い、3mmの綿棒を共同開発し、「Dr.HUBY micro 3mm医療用綿棒」として実用化し、発売した。 同製品の開発は、同大国際医工情報センター次世代内視鏡治療学共同研究部門の中島清一 特任教授らと、山洋の研究グループによって行われた。 近年、外科手術は、患者への身体的ストレスを少なくするため、小さな傷による腹腔鏡手術が主流となっている。そのため、傷のサイズも、数年前までは10mm径前後であったものが、最近では5mm、さらには3mmと、どんどん小さくなってきている。これに伴い、手術器具の細径化も進んでいるが、綿棒に関しては欧米製の5mmのものが主流であり、より細径のもの(極細径綿棒)は現在の市場には存在しなかった。 今回、研究グループは、コットンパウダーを軸にふきつけた後、一定の型に立体造形するという特殊な独自技術で綿棒を製造している山洋との連携により、
心筋梗塞は、心臓の太い3本の血管が詰まり、血流が滞って心筋が壊死(えし)することで命に関わる。血流を再開する手術では、新たな血液の通り道として、他の場所から取ってきた血管を用いた「バイパス術」が行われるのが一般的だ。この連載では以前、ロボット支援下手術による心臓の僧帽弁閉鎖不全症の手術への応用を紹介したが、冠動脈バイパス術についてはどうなのか。 帝京大学医学部附属病院心臓血管外科の下川智樹主任教授が言う。 「当科では、冠動脈バイパス術において人工心肺を使わない『オフポンプ』手術を実施しています。心臓を動かしながら手術をするため、触覚のないロボット支援下手術よりも、今のところ、血管をつなげる部分は自らの手で行う方が確実です。しかし、血管を別の場所から取るときには、ロボット支援下手術の使用は有効だと思います」 下川教授は冠動脈バイパス術の一部で、ロボット支援下手術を実施している。この冠動脈バイ
日本医療機能評価機構は26日、医療事故情報に関する報告書を公表した。MRI検査室に補聴器や酸素ボンベなどの磁性体(磁力に引き寄せられる性質を持つ物質)を持ち込んだ事例が2014年8月から今年6月までの間、12件あった。同機構は、磁性体が吸着した衝撃でMRI装置が破損する恐れがあることなどを挙げ、「予定していたMRI検査を中止するなどの影響が起こることも考えられる」としている。【新井哉】 報告書によると、MRI検査室に持ち込まれた磁性体は、▽酸素ボンベ▽点滴台▽ストレッチャー▽椅子▽気管切開チューブ▽ドレーンのリザーバー▽補聴器▽アンクルウエイト―などで、医療機関にあったものだけでなく、患者が持参したものもあっ...
厚生労働省は21日、都道府県に対し、治療や検査で一度だけ使った後に廃棄処分が必要な「単回使用医療機器」(SUD)に関する通知を出した。大阪市立大医学部附属病院などでSUDの再使用が判明したことを受けた措置。都道府県が医療機関に指導を行うよう求めている。【新井哉】 SUDの再利用をめぐっては、同附属病院のように手術などで使った医療機器を洗浄、滅菌した後、再使用するケースが後を絶たない。患者の体内に埋め込まれていたり、感染症法で定められた一類から五類までの感染症などの治療や検査で...
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く