世界金融の中心地、米ニューヨークのウォール街付近で経済格差の拡大や雇用不安・失業に反発する若者たちのデモが止まらない。欧州で今月15日に同時デモが予定されているほか、東京での抗議行動を訴えるウェブサイトも作られ、資本主義の暴走や拝金主義への異議申し立ては国際的な広がりを見せ始めている。いま、何が若者たちを結集させ、運動はどこに向かうのか。抗議行動の実態と行方を探る。【ニューヨーク山科武司、ロサンゼルス堀山明子、草野和彦、前田英司、秋山信一】 きっかけはチュニジアとエジプトで独裁政権を倒した中東の民主化運動「アラブの春」だった。アラブ民衆の力に感銘を受けたカナダの非営利雑誌「アドバスターズ」の創設者兼編集長のカレ・ラースン氏(69)らが7月13日、世界最大の金融街であるウォール街を「占拠しよう」とインターネットのブログで呼びかけた。 背中を押したのは、強烈な格差意識と、世界経済を牛耳る金融・