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ブックマーク / note.com/ruiu (14)

  • IPv6がなぜいまだに普及していないのか|Rui Ueyama

    現在のインターネットの基をなしているIPv4というプロトコルには、広く知られた大きな欠点がある。パケットのアドレスフィールドの幅が32ビットなので、ネットワークに接続可能なホスト数の上限が2³²(約43億)になってしまっているのだ。その欠点を修正するために、1990年代後半にIPv6という新たなプロトコルが設計されたのだけど、いまだにインターネットではIPv6は少数派で、主流ではいまだにIPv4が使われている。 1990年代当時は、IPv6は規格を策定すれば比較的すぐに普及するはずで、それによってインターネットが抱えているアドレス枯渇の問題が解決されるという雰囲気だったように思う。1998年にタイムトラベルして、20年たってもまだIPv4を置き換えることに成功していないと当時の人のIPv6推進者たちに教えたら、多分すごくびっくりされるだろう。一体どうしてこんなに普及が遅れてしまったのだろ

    IPv6がなぜいまだに普及していないのか|Rui Ueyama
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    mattn 2019/11/05
  • 「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama

    ソフトウェアの世界には「悪い方が良い」原則という有名なエッセイがある。キレイにレイヤ分けされた一貫性のある良いデザインよりも、一見手抜きっぽい悪いデザインのほうが実は良いときもあるという話だ。この逆説的なデザイン原則を僕は身をもって体験したことがある。それについてちょっと書いてみようと思う。 僕はlldというリンカの現行バージョンのオリジナル作者だ。リンカというのはコンパイラと組み合わせて使うもので、実行ファイルやDLLを作るのに使用される。lldはプロダクトとしてはかなり成功していて、標準のシステムリンカとして採用しているOSがいくつかあったり、GoogleやFacebookなど皆が知っているような大規模サイトの中で広く使われていたりする。 現在のlldは2世代目で、第1世代のlldは僕がプロジェクトに参加する前から存在していたのだけど、数年前にそれを捨てて一から書き直すということになっ

    「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama
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    mattn 2018/04/06
    良いと思われた実装があったからこそ、今の悪いけれど良い実装方法が見えたってのはあるんじゃないかな。
  • 意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama

    プログラムを書いていると、素直に実装した結果として毎回特定の条件が満たされているけど、来それは誰も保証してないという場面に出くわすことがよくある。保証されていない偶然の動作に依存することで生じるバグというのはかなり多い。 例えば最近では、ドラゴンボールZ ドッカンバトルというゲームで、2回SQL文を実行した結果が同じ順序で並んでいるという誤った期待をしているコードがあったせいで、ガチャの確率表示がめちゃくちゃになってしまって、運営が確率操作しているのではないかという騒動が発生したことがあった [1]。データベースでは空のテーブルにデータを追加してその直後に読み返すと、データを追加した順番に結果が返ってきたりしがちなので、問題のコードはきれいなテスト環境では偶然うまく動いてしまったのだろうと思う。 上のようなバグを防ぐために最近よく使われているのは、来保証しないところをわざと壊すという方

    意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama
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    mattn 2017/12/13
    go-fuzz すね
  • コンパイラに仕込まれた細工とシステムのセキュリティの話|Rui Ueyama

    コンパイラのソースには書いていないのにバイナリだけで代々伝わっていく情報というのがあって、それはコンピュータのセキュリティに大きく関わっている。ここではそれについて書いてみよう。 僕は8ccというCコンパイラをスクラッチから書いたことがあるのだけど、8ccには文字列を読む部分で、"\"の後に"n"がきたら"\n"という文字(改行文字)を読んだことにするという箇所がある。これはよく考えてみれば自己言及的になっていて、ソースコードの中に"\n"のASCIIコードが一体当は何なのかという情報が含まれていない。しかしコンパイラをコンパイルするコンパイラからその情報が受け継がれるので、できたバイナリは改行文字をきちんと出力できる。つまり8ccの改行文字は何度セルフコンパイルしても最初に使ったGCC起源ということになる。 コンパイラは、改行文字の文字コードというレベルではなく、もっと大きな情報をバイ

    コンパイラに仕込まれた細工とシステムのセキュリティの話|Rui Ueyama
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    mattn 2017/12/11
  • 十分大きな乱数をユニークな識別子として使うのがなぜ安全なのか|Rui Ueyama

    いろいろなソフトウェアで、大きいランダムな値をユニークな値とみなすということが行われている。例えばユニークな識別子としてよく使われるUUIDはただの122ビットの乱数だ。gitもSHA-1ハッシュ値が160ビットの乱数のように扱えることを期待して、それをユニークな識別子として使っていた。実際にはランダムな2つの値が同じになる確率はゼロではないのに、なぜこれが安全なやり方だと言えるのだろうか? それについてちょっと説明してみよう。 あるシステムが、乱数で生成された識別子の衝突のなさに依存しているとして、仮に衝突が発生した場合、相当悪い結果、例えば復旧不可能な形でデータベースが壊れてしまうとしよう。これはどれくらい危険なのだろうか? 数学の問題で、学校のクラスの中で同じ誕生日の人が1組以上いる可能性は思ったより高いという話を聞いたことがあると思う。あるランダムに生成された値が衝突する確率という

    十分大きな乱数をユニークな識別子として使うのがなぜ安全なのか|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/29
    言葉のマジック
  • x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxとは何か|Rui Ueyama

    スタンフォードのコンピュータサイエンスの授業で、ときどきこれは良問と思う問題がテストで出ることがある。僕の印象に残っているのは「xをfloatとするとき、x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxを求めよ」というものだ。浮動小数点数を理解していないと、両辺が同じにならないケースがあるほうが不自然に思えるだろうから、この問題は浮動小数点数の奇妙さを結構うまく突いていると思う。この問題を元に浮動小数点数についてちょっと説明してみよう。 まずコンピュータ上での数について少し考えてみよう。コンピュータにおける数と、数学の整数や実数は、よく考えてみると全然違う。コンピュータは有限の記憶領域しか持っていないので、無数にある数を表すことが根的にできない。つまりコンピュータ上の数は「物の数になるべく似せた別の何か」だ。現実的には、例えば32ビットの数なら2^32パターンしか表せないので、そ

    x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxとは何か|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/29
    strtod は自作してみると結構面白い。
  • 乱数生成器とゲームと諜報活動の話|Rui Ueyama

    ゲームなどを作っているとランダムさが必要になることがあるけど、コンピュータは基的に毎回全く同じように動くので、乱数を作り出すのはそう簡単なことではない。Wi-FiやHTTPSなどの暗号は乱数のランダムさに質的に依存しているので、高品質な乱数生成は世の中的にも重要な話題である。ここでは乱数生成について話をしてみよう。 ゲームではイベントがプレイヤーに予測不可能であればよいだけなので、真の乱数列ではなく擬似乱数列というものを使うことが多い。擬似乱数列は人間にはランダムにみえるけど、実際は何らかの数式によって順番に生成されているだけの数の列で、初期値を毎回違うものにしておくと、人間には毎回違う数列が生成されるようにみえる。初期値には現在時刻を使うことが多い。現在時刻は普通の用途では毎回違うからだ。 昔のゲーム機は現在時刻の設定がなかったので、ファミコンなどでは、起動してからの経過時間を疑似乱

    乱数生成器とゲームと諜報活動の話|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/22
  • ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama

    いろいろな環境で動くプログラムでは互換性のためにその場しのぎのことをしないといけないことがよくあるけど、歴史が積み重なってくると、アドホックな技の上にアドホックな技が積み上がる喜劇的な状態になることがある。こういう問題は認識するのは簡単だが直すことは誰にもできない。まさに僕がそのような体験をしたのでちょっと説明したい。 僕は仕事としてオープンソースのlldというリンカを書いている。リンカというのはコンパイラが生成したバイナリファイルをつなぎ合わせて最終的な実行ファイルやDLLを作成するプログラムで、知らない人も多いと思うけど、何をコンパイルしても最後にはリンカが動いている。lldは既存プログラムより何倍も速くてビルドが早くなるというので最近は結構人気が高まっていて、FreeBSDなどのいくつかのOSが全面的にスイッチしようとしたり、あるいは大規模プロジェクトChromeや、どうもFire

    ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/15
    compatible with GNU linkers おもしろい。User-Agent で Mozilla を語るのは現代では capacity check のプロトコルになってしまっている。
  • 絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama

    UnicodeのUTF-16エンコーディングではほとんどの文字(コードポイント)は2バイトで表現されるが、Unicodeに後から追加収録された文字の多くは4バイトで表現される。4バイト文字がうまく扱えないプログラムというのはわりとよくある。しかし世界中で広く使われるようになった絵文字がよりによって4バイト文字であるせいで、そのような文字が扱えない問題がよいペースで解決に向かいつつある。それについて少し説明してみようと思う。 Unicodeが80年代から90年代初頭にかけてデザインされたときの目標の一つは、Unicodeに含まれる文字数を65536個以内に収めることだった。現代の文章を実用的なレベルで表すためには、漢字などを含めてもそれだけの種類の文字があれば十分だと考えられたのだ。当然これは1文字を2バイトで表すことを念頭に置いていた。つまりコンピュータの揺籃期から当時に至るまで単純に英語

    絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/13
    今までマルチバイト関連で全く動いてくれなかった英語圏の人が絵文字の使用可否をトリガにして動き出してくれたのは良い事すね。
  • 「プログラミングの常識」を時々見直す必要性について|Rui Ueyama

    自分の中のプログラミングの常識というものは、ときどき現実のハードウェアに合わせて調節しないといけない。ハードウェアが進歩し続けているので、コンピュータで簡単にできることと相対的に難しいことのバランスが変化し続けているからだ。ここでは特にストレージにフォーカスして書こうと思う。 昔はメモリが相対的にとても貴重な資源だったので多くのプログラマがメモリを節約することに血道を上げていた。例えばWindowsの初期の頃に設計されたデータ構造には、メモリをバイト単位ででもいいから節約したいという意図の痕跡がいまでも多く見受けられる。DRAMの次に速い記憶装置はHDDだったので、メモリが足りなくなればHDDにデータを保存せざるを得ないのだが、DRAMとHDDのランダムアクセスの速度差は、机の上のの開いているページを見るのと、そのAmazonで注文して到着するのを待つのと同じくらいのスケールで違うの

    「プログラミングの常識」を時々見直す必要性について|Rui Ueyama
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    mattn 2017/11/02
  • スタンフォードのコンピュータサイエンスの授業の感想|Rui Ueyama

    いまのところ25単位分(マスター修了に必要な単位数の約半分)の授業を取ったので感想を時系列でちょっとまとめたい。昔のやつは記憶が曖昧になっているけど。 CS243 プログラムの解析と最適化 (2014Q4)要するにコンパイラの最適化の授業。前半はデータフロー解析とかでかなり実用的な感じがしたが、後半は行列計算の命令の依存関係を抽出してベクトル最適化とか、ItaniumみたいにレジスタのたくさんあるCPUでループアンローリングするみたいな話で、実際に役に立つのかはよくわからなかった。 と、そのときは思ったが、巨大な行列の計算はよくあるので、興味を持てなかった僕がダメだっただけかもしれない。 とにかく難易度が高かった。かなりがんばって夜中までやっていたつもりだけどもっと真剣に取り組むべきだったかもしれない。なにせこれが最初の授業だったのでレベル感がよくわかっていなかった。教授がドラゴンブックの

    スタンフォードのコンピュータサイエンスの授業の感想|Rui Ueyama
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    mattn 2017/04/06
    めちゃ楽しそう。羨ましい。
  • ソースコードって実際のところどういうふうに書いていますか?|Rui Ueyama

    私はプログラミングは結構自信があるんですが、他の人の作業をつぶさに観察したことがあるわけでもないので、自分で当たり前だと思っているコーディングの方法が他の人にとってはそうではないこともあると思ってます。上手い人がどういうふうにしてプログラムを書いているのか知りたいんですよね。 逆に私はどういうふうに書いているかちょっとまとめてみました。自分はこうしている、というのがあったらぜひ教えてください。 まず私の場合、ゼロからコードを書くよりも現在のプロジェクトのためのコードを書くことのほうが多いので、コードを書くというのは既存のコードに変更を加えることがほとんどです。既存のコードに手を加えるときは、新機能追加か、リファクタリング(動作は変えずにコードをきれいにすること)のどちらかになるわけですが、まず前者をどうしているかどうかをできるだけ説明してみます。 まず必要なのは考えることです。よく知ってい

    ソースコードって実際のところどういうふうに書いていますか?|Rui Ueyama
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    mattn 2016/07/15
  • スタンフォードの単位は通わなくてもリモートで取れるよ、テストとかの難易度は同じで|Rui Ueyama

    スタンフォード大学にはSCPD(Stanford Center for Professional Development)という社会人向けのプログラムがあって、仕事をしたままパートタイムで授業を受けることができるようになっている。授業のビデオをオンラインで見て、課題を期限内に提出して、テストだけはキャンパスに受けに行くというもので(遠隔地の場合はテストもリモートでできるらしい)、成績は普通の生徒と一律につけられるし、単位も普通にもらえるという仕組み。まあなんというか、ただ後ろの方に座って大学院の授業を受けているのと同じような感じというか。 時間もあるので、コンピュータサイエンスでちょっとそういう勉強にも手を出してみるかなと思って、今年に入ってからSCPDを始めてみた。目安によれば1単位あたり4時間ほど時間を取ればよいらしく、1授業で4単位の授業がほとんどだから、週16時間確保できればいい、

    スタンフォードの単位は通わなくてもリモートで取れるよ、テストとかの難易度は同じで|Rui Ueyama
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    mattn 2015/11/17
  • 昔の「コミュニティの偉くて怖い人」というのは何だったんだろうね|Rui Ueyama

    オープンソースのコミュニティで、偉いとみんなから思われていて、傍若無人な発言をよくしていて、なぜかそれが周囲から許されている人というのは、昔はよくいたように思う。 昔は僕も子供だったので、ネットでのコミュニケーションというのはそういうふうに殺伐としたものなのかな、と思っていたのだけど、いまになってみれば、ああいう人たちは一体なんだったんだろうと思う。ああいう人たちはちょっと何かがどうにかしていたのではないか? 僕はいまはLLVMで開発をしているけど、このコミュニティは基的に相互にリスペクトするべきという基的な原則が感じられて、あまりひどい発言などをすると誰かコミュニティの偉い人がたしなめに来たりする。困った人もいないわけではないけど、おおまかに言えばうまく運営されていると思う。コミュニティをどう運営するかというのは結局参加者の選択の問題で、殺伐としたコミュニティにすることもできるし、相

    昔の「コミュニティの偉くて怖い人」というのは何だったんだろうね|Rui Ueyama
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    mattn 2015/09/30
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