それでは、日本の現在の労働市場の需給関係はどのような状況でしょうか。完全失業率や有効求人倍率で見るのが一般的ですが、非正規社員やパートタイマーなど雇用形態が多様化しているため、これだけでは雇用環境の実態を正しく把握できなくなっています。 このような考え方から、総務省『労働力調査』では「未活用労働指標4」という指標を用意しています。未活用労働者には、通常、報道されている失業者(完全失業者=無職の求職活動者)のほかに、もっと長い時間働くことを希望している就業者や就業を希望していながら自分に合う仕事がないなどの理由で求職を諦めた人(求職意欲喪失者といいます)が含まれます。 ’23年1-3月期の完全失業者は176万人で、完全失業率は2.6%でした。この完全失業率は“ほぼ完全雇用”であると考えられてきました。それに対して、完全失業者を含む未活用労働者は417万人に達します。 つまり、完全失業者以外に
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