日銀は4月末に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2023年度のコアCPI見通しを1.8%上昇、コアコアCPIを2.5%上昇にそれぞれ上方修正した。年度の発射台となる4月が高めのスタートになることで、市場では次回7月の展望リポートで23年度のコアCPI見通しがさらに上方修正される可能性を指摘する声が増えている。 元日銀理事で調査統計局長を務めた門間一夫みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミストは、日銀は早期の政策修正への思惑が広がることを避けるため、4月の展望リポートで物価見通しを低めに設定した可能性があると指摘。「日銀が7月に物価見通しを上方修正することは確定的」とみている。 いちよし証券の愛宕伸康チーフエコノミストは、日銀の23年度のコアCPI見通し1.8%上昇は、3月実績の3.1%上昇を踏まえれば明らかに弱いと指摘する。日銀の見通しは、23年度後半にコアC