日銀は1月22、23日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除を見送った。 日銀が採用しているイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)は、短期のマイナス金利と長期(10年)のゼロ金利からなる。もっとも、長期のゼロ金利は既に形骸化しており、残るは短期のマイナス金利となっている。 本来であれば、1月の決定会合は、国会開会前ということもありマイナス金利解除には好都合なタイミングだった。しかし、元日に最大震度7の能登半島地震が発生した。これが日本経済に与える影響は実質的には限定的だが、センチメント(心理状態)の影響は分からない。 震災があれば、財政政策では補正予算、金融政策では金融緩和で対応するのが一般的だ。 しかし、これまでの震度7クラスの震災時の対応とは異なり、今回はまだ補正予算の動きがない。その上、マイナス金利を解除して金融引き締めを行うのでは、政策の方向性が真逆になってしまって市場関係者