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ブックマーク / gekkan.bunshun.jp (6)

  • 『異貌の古事記 あたらしい神話が生まれるとき』 (斎藤英喜 著) | 鼎談書評 - 文藝春秋WEB

    片山 このは、『古事記』の受容史です。中世から折口信夫まで、どのように『古事記』の中身が解釈されたかを論じています。神話に正しい解釈などない。その時代に合った読み方の積み重ねがあるだけだ。そういう割り切りが大前提で、とくに、江戸時代の国学者で、『古事記』の注釈書の『古事記伝』を編んだ居宣長、その「異端の弟子」とされる平田篤胤らの、『古事記』の「読み」のなかから、彼ら人の思想を鮮やかに切り出します。 酒井 このを読んで、宣長も篤胤もキリスト教や天体学など西洋の知識や思想に学んでいた、というのが意外でした。 山内 ふつう、宣長の思想は、明治以後に展開する排外的「皇国イデオロギー」のさきがけとして批判されることが多い。むしろ著者は、いかに宣長の思想に西洋の最新知見が取り込まれていたかを明らかにします。宣長の一種の読書ノートによれば、『天経或問』という宣教師の知識を基にした西洋天文学の書を

    『異貌の古事記 あたらしい神話が生まれるとき』 (斎藤英喜 著) | 鼎談書評 - 文藝春秋WEB
  • 『この世界の片隅に』で感じた非日常が日常化していく恐怖 | 旬選ジャーナル - 文藝春秋WEB

    ふるや つねひら/1982年北海道生まれ。立命館大学文学部史学科卒業。著書に『ヒトラーはなぜが嫌いだったのか』(コア新書)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮新書)、『草系のための対米自立論』(小学館新書)など。 この著者の関連記事 公開館数六十八館と小ぶりながら、口コミが口コミを呼び観客動員十二万人突破(十一月二十一日現在)で配給会社(東京テアトル)の株価がストップ高になるという、空前の盛り上がりを見せているアニメ映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)。様々な論者が憲法や社会問題について寄稿するWEBサイト『マガジン9』掲載の匿名ライター中津十三氏の評が秀逸だったので紹介したい。 戦前・戦中・終戦直後の広島県呉市を舞台に、主人公すずの日常が描かれる作。これまで、空襲や原爆を描いたアニメや映画、ドラマ等で繰り返し強調されるのは「戦時下の非日常性」と「強烈な反戦・反核メッセージ」の二つ

    『この世界の片隅に』で感じた非日常が日常化していく恐怖 | 旬選ジャーナル - 文藝春秋WEB
  • 『世界史を変えた薬』『日本陸軍とモンゴル』『毛沢東』『ガリレオ裁判』『宇宙背景放射』 | 新書の窓 - 文藝春秋WEB

    病気との戦いの歴史を点描するのは、佐藤健太郎『世界史を変えた薬』(講談社現代新書)。消毒薬や吸入麻酔剤が開発されたのは十九世紀半ば、ペニシリンの量産は二十世紀前半。この時期に人類史上稀にみる医療革命が生じていた。薬をめぐる歴史的エピソードが豊富で、「マラリアで危篤状態にあった康熙帝にイエズス会の宣教師が特効薬キニーネを献上しなかったら」「抗生物質ペニシリン量産がノルマンディー上陸作戦に間に合わなかったら」――などと、想像しながら読むのも面白い。 楊海英『日陸軍とモンゴル』(中公新書)の副題は「興安軍官学校の知られざる戦い」。同校は一九三〇年代の満洲に「大日帝国が外地で作った唯一の、特定の民族のための学校」。著者は南モンゴル生まれ。書は日帝国主義を批判しつつ、植民地支配という通俗的な歴史観に歴史の真相はけっしてそう簡単ではないと釘を刺す。加害と被害という構図を凌駕した「事実は歴史小説

    『世界史を変えた薬』『日本陸軍とモンゴル』『毛沢東』『ガリレオ裁判』『宇宙背景放射』 | 新書の窓 - 文藝春秋WEB
  • 『21世紀の不平等』 (アンソニー・B・アトキンソン 著/山形浩生・森本正史 訳) | 鼎談書評 - 文藝春秋WEB

    水野 2014年、トマ・ピケティの『21世紀の資』がベストセラーになりましたが、書は彼の師匠、英国オックスフォード大元学長のアトキンソンという経済学者によって書かれました。著者はイギリスの市場経済を細かく分析し、格差をなくすための具体的な「15個の提案」をします。著者は、人々が努力して富を集めれば、その陰で必ず誰かが貧困層に転落していくということを指摘します。「不平等」を無くさなければならないという主張は共通していますが、上位1%の富裕層に焦点を絞っていたピケティに対し、著者は富裕層から貧困層まで幅広く目を配っています。 山内 昨今、世界で起こっている様々な「歪み」は、突きつめれば著者が指摘する「不平等」に繋がっているとも言えます。例えばイスラム教にはアダーラ(公正)を統治の基礎とすべしという教えがある。これを建て前に暴力を用いて西欧の資主義に対する挑戦をしかけているのがIS(イスラ

    『21世紀の不平等』 (アンソニー・B・アトキンソン 著/山形浩生・森本正史 訳) | 鼎談書評 - 文藝春秋WEB
    maturi
    maturi 2016/01/29
    2012年時点で所得分配の不平等を表す「ジニ係数」が日本は36.6%で、アメリカは37.2%だという。世界最大の格差大国アメリカと日本が不平等指数で大差ないというのは驚きでした。難しい経済書を日本人読者に近づけるとい
  • 安倍晋三 アベノミクス第2章起動宣言 | 特集 - 文藝春秋WEB

    経済に興味を失うことはありえません。景気回復の実感がすべての国民に行き渡るまで手を打ち続けます 日を取り戻す――政権に復帰して1年8カ月、そのことに全力をつくしてきました。経済でも、外交でも、その成果は確実に生まれつつありますが、まだまだ道半ばです。 昨年の参院選で勝利し、日を長らく停滞させてきた「ねじれ」を解消することもできましたが、今や、国民の厳しい目線は、ひとえに自民党に向けられています。「政治は国民のもの」という立党の精神を忘れ、あるいは、改革から逃げるような「古い自民党」に逆戻りすれば、直ちに国民の信頼は失われてしまうでしょう。 こう思うとき、決まって頭をよぎる言葉があります。――「自民党は変わったのか」1年8カ月前の総選挙の時にいただいた、国民の皆さんの疑問の声です。今もなお、私は、自分自身にこの問いかけを続けながら、常に緊張感を持ち、気を引き締めて、国家国民のための政治

    安倍晋三 アベノミクス第2章起動宣言 | 特集 - 文藝春秋WEB
    maturi
    maturi 2014/09/02
    2014.8  なんでまだ誰もブックマークしていなかったのか
  • 日本の大学が世界の「落ちこぼれ」になる | 特集 - 文藝春秋WEB

    近年、日でも「グローバル人材の育成」がさかんに唱えられています。大学においても、入学の時期を欧米に合わせる「秋入学」などの入試改革や、英語による授業を増やすなどの様々な改革が検討され、実施されています。 私は、かつて18年間、東京大学に勤め、2008年からはイギリスのオックスフォード大学で社会学と現代日社会論を教えています。 そこで痛感するのは、英米の、いわゆる大学ランキングの上位に挙げられる大学が、凄まじいグローバル競争にさらされているということです。そして残念ながら、日の大学は、一部の大学の理系分野を除くと、その世界の潮流から取り残されている。無関係でいられるといってもよい。 では、どこが違うのか。しばしば「英語の壁」が課題として挙げられますが、それだけではありません。これから日の高等教育(とりわけ大学、大学院)がグローバルな競争に参入し、高いレベルを維持するためには、何が必要

    日本の大学が世界の「落ちこぼれ」になる | 特集 - 文藝春秋WEB
    maturi
    maturi 2014/07/16
    本の大学、ことに経済学、政治学や社会学などの社会科学を含む文系部門は、その世界的な流れとは無縁でいられる。これは単に大学だけの問題ではありません。「大学が社会においてどのような機能を担っているか」「社
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