◆円安が大幅に進む局面において、企業は販売価格をより積極的に引き上げる傾向があり、インフレ率は非線形的に高まる可能性がある。こうした企業行動を考慮したモデルで推計すると、先行きのドル円レートが160円超で推移する場合、インフレ率の上振れリスクが急速に高まる。 ◆物価の上振れリスクが高まる場合、実体経済に強さが見られない中で日本銀行(日銀)が短期金利を引き上げれば、賃金・物価の循環的な上昇の芽を摘みかねない。この点、長期金利は短期金利に比べて為替レートへの影響が大きく、実体経済への影響は小さい。日銀は国債購入ペースの柔軟化または購入額の減額によって長期金利を上昇させることで、景気への悪影響を抑えつつ、インフレ率の上振れリスクに対応することができるだろう。
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