日本の少子化が急速に進むなか,近年,子育て支援に関する施策が相次いで打ち出されている。しかし,NHK放送文化研究所が2012年と2022年に実施した世論調査の時系列推移をみると,30代以下を中心に,子育てに対する負担感は増している様子がうかがえる。例えば,「子どもは経済的な負担」だと考える人は,10年前と比べて中高年層で減少傾向なのに対して,30代以下では増加する傾向がある。 そうしたなか,子どもの保育費の負担については,10年前は「家族が担うべき」が多数派だったが,2022年は「政府や地方自治体が担うべき」が増加し,両者が拮抗するようになった。「政府や地方自治体が担うべき」は,女性30代以下で大幅に増えて6割に達し,家計を預かることが多い子育て世代の女性で,公的負担を望む人が多くなっている。 夫の家事や育児の参加頻度が高いほど,第2子出生の確率も高いという先行知見があるが,家庭内の夫婦の