1. アスリート 紀平梨花のFSの滑りを繰り返し見ている。 "Beautiful Stone" に乗せて『地球の創造』を表現する紀平は、 太古の人々を彷彿とさせるような振り付けを随所に挿入しながら 腕の角度を生かし 指の先まで神経を行き届かせ、 芸術的な滑りを見せる。 印象的な振り付け しかしそこに私は 一貫してアスリートとしての紀平を併せ見る。 体幹が透けて見えるような しっかりとした姿勢、 崩れることのないバランス。 素晴らしい体幹 1つ1つの難しいジャンプやステップを、 体操でいうD難度、E難度、でもこなすような感じ …… と言ったら語弊があるだろうか。 私はここに アスリート型スケーターの誕生を見る。 最早「ミスをする」「ミスをしない」という感覚ではない。 E難度を「こなす」という感覚なのである。 この感覚を観衆たちが持ち 紀平自身も持つ これが紀平に安定感を感じる理由の1つである