静岡市内の花火大会で売られた冷やしキュウリを原因とする腸管出血性大腸菌「O(オー)157」の集団食中毒。508人が症状を訴え、115人が一時入院、6歳女児を含む5人が腎不全などを伴う「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を発症した。肉の生食のリスクは知られるが、野菜の生食のリスクを認識していない人は少なくない。専門家は「もともと野菜はリスクが高い食品。生で食べるときは注意が必要」と呼び掛けている。(平沢裕子)◇原因は浅漬け? 今回の食中毒の原因となった冷やしキュウリは皮やヘタをむいた後に調味液に漬け込んだもので、生ではなく、浅漬けといえる。伝統的な漬物は塩分や発酵によって雑菌や大腸菌などの増殖が抑えられることもあり、保存性が高い。しかし野菜を調味液に漬けただけの浅漬けは塩分濃度が低く、発酵もしていない。 浅漬けが原因の集団食中毒はこれまでにもたびたび起きている。平成24年に北海道で8人が死亡した