沢田研二 「時の過ぎゆくままに」 退廃の美を歌った"やおい"にとって記念碑的作品 (1975.08.21/ポリドール/DR-1965) 70年代、TBSの演出家であった久世光彦は「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー」など、テレビドラマ界のヒットメーカーであったが、その一方で、歌謡界のヒットメーカーでもあった。 彼の手がけたドラマ劇中歌のヒット(――実際に劇中で歌手が歌う、という演出が多い)は実に数多い。天地真理「みずいろの恋」、堺正章「街の灯り」、浅田美代子「赤い風船」、郷ひろみ・、樹木希林の「お化けのロック」「林檎殺人事件」、さくらと一郎「昭和枯れすゝき」。 天地真理、浅田美代子はまさしく「時間ですよ」が生んだアイドルといって、いい。 久世ドラマは、ドラマタイアップによるヒット曲の先駆けでもあり、ドラマからアイドルが生まれる先駆けでもあった。 また作詞家としても久世光彦は、小谷夏・市川