人工知能(AI)が注目を集める今、結果がこのほど発表された文学賞、日経「星新一賞」に、AIによる小説が応募されました。文学という領域において、AIは一体どこまで進化しているのか。AIが小説を書く時代の「創作」はどのような姿になるのか。プロジェクトを推進する公立はこだて未来大の松原仁教授、芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹氏、電通の吉崎圭一氏による鼎談の後編です。 AIの特徴はランダム力。人間の創造性を高める期待も? 吉崎:AIの創作研究は他分野でも進んでいますよね。例えば音楽では、コンピューターの作曲とバッハの作品を聞かせて、どちらがバッハの曲かアンケートを取る。すると、コンピューターの書いた作品を「バッハの曲」と答える人が多かったという結果も出たりします。 松原:詩などの研究も進んでいて、過去の有名な詩のワードをたくさんインプットし、その中からコンピューターに組み合わせを任せる。すると、千