デジタルコンテンツの販売を先行させる出版形態だが、その意味するところは浅くない。「デジタル」をどのようなものと認識するかで対応も異なってくるからだ。これは出版における例外なのか、補完なのか、それとも未来形なのか。2007年以降5年間のデジタル革命の展開をみてくれば、すでに例外ではあり得ない。そして印刷がもはや21世紀の出版需要に応えきれない以上、それは明日と考えるほかないだろう。写真/カメラのように。 2008年にハーパーコリンズ社のジェーン・フリードマン女史(写真=左)が社長兼CEOの職を辞して“E-riginal”のOpen Road Integrated Mediaを設立した時には、ほとんど酔狂と思われた。この会社は2011年にベンチャー・ファンドから800万ドルを調達し、成長軌道に乗った。ビッグシックスから中堅までの出版社も、それぞれE-Book専門ブランドを立ち上げてデジタル・フ