このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米MITや日本のベンチャーSakana AI、米OpenAIなどに所属する研究者らが発表した論文「Automating the Search for Artificial Life with Foundation Models」(ASAL)は、人工生命のシミュレーションを自動的に探索・発見するシステムを提案した研究報告である。 これまでの人工生命研究では、生命らしい振る舞いを示すシステムの設計は、研究者の直感や試行錯誤に大きく依存していた。なぜなら、単純なルールから複雑な振る舞いが創発する過程を事前に予測することが極めて困難だからである。 A